ゴミ屋敷の片付けに必要な料金の目安 | 料金が安くなるコツも紹介

「実家がゴミ屋敷状態になっていて、まったく手をつけられない!」

「親が亡くなったので実家を引き払いたいけれど、遺品がゴミか必要なものかわからない状態になっていて手がつけられない…」

などなど、実家が気づかぬうちにゴミ屋敷になってしまっていたというケースは、多々あります。

ゴミ屋敷になってしまう住居の住民は、高齢者の1人暮らしに多い傾向があります。

自分では到底片付けられないゴミ屋敷の片付けを、業者に依頼する場合、いったいどのくらいの料金がかかるのでしょうか?

今回の記事では、実家がゴミ屋敷になってしまった際の対処方法や、片付け料金目安、料金が少し安くなるかもしれないコツなどをお伝えします。

目次

ゴミ屋敷の片付け料金を決める目安となるのは「モノ・ゴミの量」

ゴミ屋敷

ゴミ屋敷の片付け料金を決める最大の要素は、やはり「モノ・ゴミの量」です。

上の画像は、ゴミ屋敷のゴミの蓄積量を、弊社独自でレベル分けしてイラスト化したものです。

  • レベルA……床が見えないくらいのゴミがある
  • レベルB……腰の高さくらいまでゴミがある
  • レベルC……肩の高さ以上にゴミがある

あくまで目安ですが、上記3段階に分けて考えてみたいと思います。
金額は通常の遺品整理にかかる費用の1.5〜3倍になると言われています。

モノやゴミの量にもよりますが、遺品整理の通常相場ががだいたい15〜30万円ですので、ゴミ屋敷の片付けは50万円ほどになることもあります。

遺品整理よりも費用が高くなってしまう理由としては、ゴミが多いことと、ゴミ処理の料金がかかること、人出も必要なので人件費が高くなることがあげられます。

ゴミ屋敷の片付けにかかる時間は、業者に全部お任せする場合は2〜3日が目安で、お客様の立会いのもと1つずつ確認をしながら作業する場合は5〜7日ほどみておくと良いでしょう。

【間取りとゴミの量別】ゴミ屋敷の片付け料金の目安

ゴミ屋敷 レベル

上記の表はあくまで目安ですが、間取りやゴミの量に応じて、片付けに必要な料金が見積りされます。

基本的には部屋の間取りが広いほど、そしてゴミが多いほど、片付け料金は高くなります

また、団地のゴミ屋敷の片付けを行う場合、1階のお部屋の片づけよりも5階のお部屋の片付けの方が、搬出の効率が悪いため時間がかかり、料金は割高になります。

後でも詳しく説明するのですが、”物がたくさんある”とひと口に言っても、様々なケースがあります。

例えば、物がたくさんあるけどある程度ゴミの分別がされている状態なのか、物がたくさんある上に色んな種類のゴミが混ざって散らかっている状態なのかで、大きく作業量が異なるため、それに応じて料金も変わるのです。

ちなみに、1ルームのお部屋であれば、通常の荷物の量は1トンくらいです。

これがゴミ屋敷になると、3トンを越えるのですから、ちょっと驚きです!

ゴミ屋敷の片付け料金にプラスアルファの料金が発生するケース

お金

先ほどの項目で、表で説明したゴミ屋敷の片付け料金を、ここでは”ゴミ屋敷の片付けの基本料金”と位置付けます。

片付け料金が加算されるポイントは、特殊な作業が必要になるかどうかと、作業時間が長くなるかどうかです。

以下では、ゴミ屋敷の片付けの基本料金に、料金が上乗せされる具体的な例を4つ紹介します。

  • 強烈な悪臭が発生している場合
  • 特殊清掃が必要な場合
  • 探し物をする場合
  • 電気をつけられない場合

強烈な悪臭が発生している場合

ゴミの腐乱などにより、部屋に強烈な悪臭が発生している場合は、特殊な消臭作業が必要となります。

また、作業員の健康状態を考慮し、休憩の回数を通常より増やすことがあり、その場合どうしても作業完了まで時間がかかるため、料金が割高になるケースが多いです。

特殊清掃が必要な場合

生ゴミの汁が床板に染み込んでいるなど、状況によって特殊な清掃が必要なケースでは、料金が上乗せされます。

探し物をする場合

ゴミ屋敷をきれいさっぱり片付けてしまうだけではなく、大事な書類などの探し物を依頼する場合は、通常の片付けよりも若干料金が上乗せされます。

ご依頼主様の探し物を間違って捨ててしまわないように、該当しそうな物を1つ1つ確認したり、予期しないところに紛れていないか見たりするので、通常のゴミ屋敷の片付けより、作業時間が長くかかるためです。

電気をつけられない場合

電気料金の支払いが止まっていて、電気をつけられないお部屋は、電気がつくお部屋よりも作業料金が高くなる傾向にあります。

暗がりでは状況の把握がしにくく、より慎重な作業が求められ、作業時間がわずかに延びるためです。

まとめますと、特殊な作業が必要になるかどうかと、作業時間が長くなるかどうかが、料金加算の要素となります。

ゴミ屋敷の片付け料金を安くするためのコツ

女性 計算

ゴミ屋敷の片付け料金を少しでも安くするためには、ちょっとしたコツがいくつかあります。

以下で、その一例をご紹介しましょう。

  • ある程度ゴミをまとめる
  • 探し物は先に見つけておく

ある程度ゴミをまとめる

一番、ゴミ屋敷の片付け料金が安くなる可能性が高いのは、ある程度ゴミを袋に詰めてまとめておいてもらうことです。

仮に「もう袋を運び出すだけ!」という状態になっていれば、業者が行う作業は回収と清掃くらいなので、上記で示した基本料金より大幅に安くなる可能性があります

しかし、ただゴミを袋に詰めておいてもらうだけでは片付け料金は安くならず、場合によっては高くなってしまう可能性があります。

それは、袋の中にゴミを分別せずグチャグチャに詰めている場合です。

すべてのゴミ袋の中身を確認し、中身を取り出して分別し直す必要があるため、余計に時間がかかってしまうのです。

ゴミの分別に関する知識に自信がなければ、業者に任せてしまった方が安心です。

探し物は先に見つけておく

どうしても見つけておきたい探し物を、作業が入る前に頑張って自力で見つけていただけると、探し物を探すために必要な上乗せ料金をカットすることができます。

仮に探し物込みで、ゴミ屋敷の片付けに15万円かかるとすると、先に探し物を見つけておいた場合、12万円くらいに抑えられる可能性が出てきます。

ただ、ゴミ屋敷の中で物を探す作業は一般の方には大変難しいですし、物の積み上がり方によっては崩れて危険なケースも多いので、無理はしないでくださいね!

激安ゴミ屋敷の片付け業者!依頼する前の注意点

チェックボックス アイコン check

「どの業者さんにゴミ屋敷の片付けを依頼しようかなぁ……?」と思って各業者のサイトを見比べていると、相場より明らかに安い業者さんが見つかることがあるかもしれません。

もちろん、ゴミ屋敷の片付け料金は安く済んだ方が嬉しいですよね。

節約しようと思ったのに悪い業者さんにあたってしまうと結果的に余計な費用がかかってしまいます。

悪い業者を見抜くために確認をしておくとよいことを挙げていきます。

その料金、本当に”すべての料金”ですか?

「○○円!」と激安料金がでかでかとアピールされていると、そこだけに目を奪われてしまいますが、最終的に支払うのは本当にその料金だけでいいのか、事前に確かめておいた方がいいです。

例えば、表示されているのは作業代だけで、処分代は別途となっていませんか?

料金システムに不明確なところや怪しいところがあれば、問い合わせて聞いてみるのも手です。

個人情報の扱い方、大丈夫ですか?

ごくまれに、料金を引き下げるために、ゴミ処分を適当にする業者もいるようです。

大事な書類をゴミ袋に確認なく入れて、公共のゴミ置き場や山に置いたりするケースがあると耳にしました。

回収したものに対してずさんな扱いをしている業者は、安くてもオススメできません。

「ゴミはどこに持っていくのですか?」「個人情報の書いてあるものは、どうするんですか?」など、気になることを聞いてみて、きちんと対応してくれない業者なら、依頼は待った方がいいかもしれません。

ゴミ屋敷の掃除を早くした方がいい理由

いくらあなたや周囲の人がどう思っていようと、ゴミ屋敷に住んでいる人はそれがベストの状態と思いがちです。

例えば本人はゴミと思っていない、何がどこにあるかちゃんとわかっていると思い込んでいる、ということもあります。

しかし、次のようなケースでは、周囲への迷惑のほか、お住いの方に危険がある場合がありますので、なるべく早く片付けるのがおすすめです。

  • 近所から悪臭や害虫の苦情が来ている
  • 虫が発生している
  • ガスボンベや電池など危険なゴミが多い場合
  • どこに何があるかわからない状態で火事の危険性がある場合
  • 家がジメジメして床や畳が腐食する可能性がある場合

食べ物の容器や生ゴミが多い場合は、虫が発生しやすく、悪臭もある場合が多いです。

また、知らずに溜め込んでいたガスボンベに引火したり、コンセントや電化製品、電池からの出火も最近は増えています。

さらに、長年気づかれずに、大変なことになるケースとして、畳やフローリングの腐食があります。

ずっと同じ位置に物を置いていると湿気がたまり、汚れた部分から畳やフローリングが腐食して、最悪の場合穴があいてしまいます。

ゴミ屋敷を片付ける際に親御さんを説得するコツ


前章で紹介したように、ゴミ屋敷を放置すると、最悪のケースを招く恐れもあります。

とはいえ、いくら危険性を主張したところで、ご自身が問題ないと思われている場合は、身内のいうことは意地でも聞かないという方もいらっしゃいます。

そういった際に、親御さんを説得するアイデアを3つ紹介します。

1.テレビのゴミ屋敷特集の番組を見てもらう

まず、客観的に状況を知ってもらうために、テレビで放送されているゴミ屋敷についての番組を見てもらうのが一つの手です。

世間からどのように見られているか、どのような危険性があるかを、客観的に見ることで、重い腰をあげるという方もいらっしゃいます。

2.お孫さんや第三者に言ってもらう

もう一つは、お孫さんや、ヘルパーさんなどの第三者などに言ってもらうことです。

息子さんや娘さんなどが直接言っても聞かない場合も、お孫さんやヘルパーさんに「じいじの家、汚い…行くの嫌だ…」「おばあちゃん、転ぶと危ないから、ちょっと片付けるね」などと言われると、片付けたり、片付ける許可をくれるかもしれません。

3.老化を体感されているタイミングで説得

最後の、本人が「私ももう年だわ…」「足腰がしんどい」「年齢のせいか体調が悪い」など老化や体調不良についてこぼされているタイミングです。

そういった際に、「このままじゃ危ないから、身の回りだけでも片付けるね」「これからのこと考えて、一度掃除してしまわない?」などと持ちかけることで、片付けの承諾を得られる可能性があります。

ゴミ屋敷になった実家を掃除するポイント

お住いの親御さんの承諾を得て、さあ、掃除しようという際に、あまりにも物が多すぎで何から始めればいいかわからない、ということも多いです。

ここでは掃除のポイントをまとめました。

今後も親御さんがご実家で生活される場合

親御さんが、今後もご実家に住む場合の片付けのポイントは次の3つです。

  • 不衛生な物・危険な物とそれ以外を分ける
  • 必要な物・不要な物・保留する物を分ける
  • 収納の方法を変える

ここで重要なのは、「要らないと決めつけない」「捨てすぎないこと」です。

先述の通り、本人は現状がベストだと思っています。それを踏まえ、残したいと思われている物は、危険でない物ならある程度残すのがおすすめです

例えば、本人と一緒に片付ける際に、内心は「全部要らないのでは…」と思っても、確認しつつ、3回に1回くらいは本人が残したいというものを残してあげるようにすると、逆にスムーズに進みます。

親御さんが実家から引っ越しされる場合


親御さんが、実家から引っ越して同居したり、施設に入るという場合について紹介します。

  • 絶対持っていくものを取り置き
  • その上で残りを整理
  • 本人と身内の方の意向を重視

この場合も、本人の意向を尊重し、捨てすぎないことが重要です。しかし、残したいものが多すぎる場合は、「実際に持っていくのは難しいよね」と、考え直してもらうことも必要です。

また、新居にスペースがある場合は、持って行けるだけ持って行ってから仕分けするのもありです。

お金や時間や場所はかかるけれど、本人のメンタルを重視しましょう

全部無理やり捨てたり、本人の意思で捨てたとしても、後々落ち込む方が多いというのが実情です。納得した上で、残すものを決めてもらいましょう。

遺品整理のために掃除をする場合

親御さんが亡くなられて、遺品整理の前段階としてゴミ屋敷を掃除するときは、親族の意向を確認しておくことが大切です

もちろん相続される方の意向が優先されますが、後々「形見として残してもらうはずの物があったのに勝手に捨てた」などとトラブルになる可能性もあります。

葬儀の際などに念のため片付けることを報告し、確認しておくことが大切です。

ゴミ屋敷の掃除は自分でやる?業者に頼む?

自分も昔は住んでいた実家の掃除となると、ご自身で出来るとお考えの方も多いかもしれません。

しかし、量や状況によっては業者に依頼するほうが良い場合も多いです。ここではその理由を紹介します。

ゴミ捨ての問題

まずはゴミ捨ての問題です。一般的にゴミ屋敷になっている家の特徴として次のような項目が挙げられます。

  • ゴミ出しの習慣がない
  • 分別しても置きっぱなし
  • 収集癖がある(本や衣類が多い)
  • 空き缶・ビン・ペットボトルを溜め込む
  • 買いだめして期限切れした食品などを放置

家庭ゴミは一般廃棄物と呼ばれる、処分費用が無料、もしくは低コストのゴミとして回収してもらえます。

ただ、料金が安いというメリットがある反面、分別が多いというデメリットがあります。

上記のように様々なものを溜め込まれている場合、それらを分けて処分するのは大変です。

一方業者に依頼する場合は、分別しないで良いというメリットがあります。

事務所や仕事で出る産業廃棄物は、分別をせずにそのままゴミに出せるので、回収してもらうだけで済みます。

デメリットとしては、産業廃棄物として処理する場合、普通のゴミ出しよりも料金かかるという点があります。

かかる時間の問題

ご自身でゴミ屋敷を掃除する場合、最低でも10日はかかると言われています。さらに、平日はお仕事をされているほか、遠方にお住いの場合は、2〜3ヶ月以上かかり、結局業者に来てもらったという方もいらっしゃいます。

業者に依頼する場合、2~3日、長くて1週間ほどで終わることが多いです。

賃貸住宅の場合は、引き払うまで賃料がかかりますので、業者に頼んで早く終わらせる方がほとんどです。

移動させるものが多い場合

転居などで、移動させるものが多い、特に大型の家具や家電がある方は、業者に頼むのがおすすめです。

ゴミを捨て終わったけれど、家具を運び出すのに結局人手が足りず、業者に頼らなければならないというケースもあります。

特殊清掃が必要なケースもある?

孤独死の場合は特殊清掃が必要なケースが多いです。

それ以外のケースも、害虫が湧いている時は外中駆除を依頼するほか、売却や賃貸などを視野に入れて住める状態に保ちたい時はハウスクリーニングを依頼されると良いでしょう。

ハウスクリーニングと特殊清掃は違いますが、状況に応じて、必要な処理を提案してもらえるので、居室内の状態が悪い時は業者に相談されるのがおすすめです。

実家がゴミ屋敷になっていたら早めに業者に相談を

まずは、親御さんの承諾を得ること、そして、どんな段取りで片付けるかということをしっかり考え、必要であれば業者に頼ることも検討してみてください。

業者によっては、親御さんを説得する手伝いやアイデアをくれるところもあります。もちろん、「勝手に進めましょう」という業者はNGですので注意してくださいね。

ゴミ屋敷の片付け料金についてのまとめ

以上、ゴミ屋敷の片付けの料金についてのお話でした。

ここでのお話はあくまで目安で、詳細はお見積りをしないことには分かりませんが、だいたいの予算を見積もるときの参考にしていただければ幸いです。

「少しでも安いところにゴミ屋敷の片付けを依頼したい!」と思うかもしれませんが、業者としては料金の安さよりも、安心・安全かどうかに目を向けて、信頼できる業者に依頼してほしいなと思うのが本音です。

住んでいるお部屋をゴミ屋敷にしてしまった、実家がゴミ屋敷になっていた……。

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この記事を書いた人

【生前整理診断士】
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<認定番号:39SSA01773>
一般社団法人生前整理普及協会 
https://seizenseiri.net/

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