孤独死の清掃・原状回復なら、「特殊清掃」を専門に扱う業者へ速やかに依頼しましょう。
「特殊清掃業者」であれば、遺体現場特有の腐敗臭・血液や体液を取り除き、事故死前のなるべくきれいな部屋へと回復させることが可能です。
【この記事のポイント】
- 事故死現場の清掃は、必ず早めに「特殊清掃」の業者に依頼すべし。
- 特殊清掃の料金は「部屋の状態・規模」によって大きく変動する。
- 業者選びで失敗しないため、「複数社で見積もりを取る」ことが重要。
「賃貸など物件を管理している方」あるいは「単身暮らしのご家族がいらっしゃる方」は、万一の時に備えて、最後までご一読いただけると幸いです。
孤独死現場の清掃は個人では難しいので専門業者へ依頼するのがおすすめ
最初にお伝えしたいのが、遺体の損傷で汚れた部屋を個人の清掃で原状回復することは、ほぼ不可能ということです。
一般の拭き掃除や除菌・消臭作業では、死体現場ならではの特殊な汚れや臭いを取り除くことができないためです。
部屋を遺体発見前の状態に回復するためには、孤独死など死体現場の清掃を専門に扱う「特殊清掃業者」へ依頼するのが最善の方法です。
特殊清掃業者とは
「特殊清掃業者」とは、孤独死や自殺・殺人などが起きてしまった物件のクリーニングや消臭・除菌などをおこない、原状回復をはかる専門会社を指します。
警察が遺体を搬出した後の体液や血液が染みついた現場を、プロならではの知識と技術で解決に導きます。
特殊清掃業者が孤独死の現場でおこなう作業例としては、以下のような内容があげられます。
- 害虫(うじ虫、コバエ、ゴキブリなど)の駆除
- 消臭・除菌
- 壁紙やフローリングの張り替え
- 体液や髪の毛など汚染物の撤去
- オゾン消臭
多くの孤独死現場では、ハエやウジといった「害虫」が繁殖し、場合によっては感染症の原因となる可能性もあります。
害虫駆除や感染症防止のため、清掃時は専用の殺虫剤や薬剤を使用し、徹底的に害虫の駆除や除菌・消臭をおこないます。
また血液や体液がフローリングや壁紙の内部まで浸透している場合、一度すべての内装を撤去し、新しい物に張り替なければならないケースもあります。
孤独死清掃を特殊清掃業者へ依頼する「料金相場」は?
特殊清掃を依頼する際の「料金相場」ですが、結論からいうと部屋の状態に応じて料金は大きく異なるため、一概にこのくらいの価格になるとお伝えすることは困難といえます。
というのも
- 匂いの状況(死後どれくらい経過しているか、夏なのか冬なのか)
- 体液や血液がどの程度、建物に浸透しているか
- 清掃する部屋面積
といった条件に応じて、消臭や清掃に必要な作業内容のレベル・清掃に要する期間や人員数に、大きな差異が生まれるためです。
仮に、腐敗した体液が床材を超え、下地のコンクリートなどに染み込んでいた場合、より大規模な工事が必要となるため料金もそれだけ高額となります。
あくまで目安ですが、以前当社が担当した「4LDK」での特殊清掃では、580,000円(税別)の料金で清掃・消臭・不用品回収をさせていただきました。
物量 | 6トン分 |
間取り | 4LDK |
人員 | 1日目3人、2日目4人 |
作業時間 | 2日 計15時間 |
料金 | 580,000円(税別) |
作業内容 | ・除菌、消臭 ・不用品の搬出、処分 ・体液、血液の除去 ・オゾン脱臭 |
特殊清掃の料金や作業内容(消臭や清掃をどの程度までおこなってくれるか)は、どの業者に依頼するかで大きく異なります。
中には安い料金で見積もりを作成し、契約後に高額な追加費用を請求してくる悪徳な業者もいるため、依頼時はなるべく2社以上の会社で見積もりを取ることを推奨します。
孤独死の発見から特殊清掃業者へ依頼・作業完了までの流れ
孤独死の現場を発見してから、特殊清掃業者に部屋を原状回復してもらうまでの流れは以下の通りです。
- 警察に連絡・現場検証
- 特殊清掃業者へ問い合わせ
- 現地見積り
- 不用品撤去・特殊清掃の実施
- 立ち合い確認
それぞれの内容について確認していきましょう。
1.警察に連絡・現場検証
死体現場を発見したら、まずは速やかに警察へ連絡します。
仮に「亡くなっているか判断がつかない」場合は、すぐに救急車を呼び、生死の確認をおこなってもらいましょう。
問い合わせ後は、死因を確認するため警察による現場検証や家宅捜索が実施されます。
最終的に遺族のもとへと遺体がわたり、葬儀・火葬などを執り行います。
2.特殊清掃業者へ問い合わせ
警察の現場検証と並行し、なるべく早いタイミングで、孤独死のクリーニングに対応可能な「特殊清掃業者」へ問い合わせします。
このとき「料金」「作業内容の充実さ」ともに優良な会社を選ぶため、何社かにまとめて見積もりを依頼するのがおすすめです。
3.現地見積り
遺体が引き取られた後、実際の事故現場に特殊清掃のプロが足を運び、様々な要因を加味して見積もりをおこないます。
現地調査の当日もしくは翌日までに、見積もりを提示する業者が一般的です。ただし部屋の汚染・汚臭レベルによっては、作業の追加が必要な場合もあります。
見積金額と作業内容に納得したら、契約の締結・料金の支払いをおこないます。
4.特殊清掃の実施
当日は業者に鍵の受け渡しをおこない、実際に孤独死現場の特殊清掃と不用品撤去をおこなっていきます。
現金や印鑑・預金通帳といった貴重品の捜索も、あわせて依頼しておくと良いでしょう。
- 不用品や家具の搬出・撤去
- 消臭剤に噴霧
- 床や壁に付着した汚れの除去
- (場合によっては)床や壁紙など、設備はがし
などの作業をおこない、最後にオゾン消臭器を設置して1~2週間ほど様子を見ます。
オゾン脱臭器
5.立ち合い確認
清掃作業が完了したら、最後に依頼者さまと現場確認をおこない、問題が無ければ完了となります。
万が一、死臭が取り切れていない or 臭いが気になる場合には、お客様の了承を得た上で消臭作業を追加・継続する場合もあります。
失敗しない特殊清掃業者の選び方(依頼時、確認する項目は?)
業者選びで失敗しないコツとしては、ずばり「作業内容を明確に説明してくれる or 見積書で提示してくれる業者」を選ぶことが重要です。
例えば同じ特殊清掃業務の見積書であっても、作業内容の明朗さは業者によって全く異なります。
<特殊清掃の見積項目の例>
A社 | B社 |
・消臭剤の散布 ・オゾン消臭 ・汚染付着部のクリーニング ・壁紙、畳の張り替え ・人件費(3名 2日分) |
・清掃作業一式 ・消臭作業一式 |
仮に「B社」のようなざっくりとした見積書の場合、業者の裁量によって、清掃内容を自由に変えられてしまうリスクがあります。
実際、見積額自体はかなり安いものの、見積書の下部をよく見ると、小さな文字で「※ フローリングはがしは別途料金」「※クリーニングは別途料金」と書かれていたという、悪質な業者に遭遇されたお客様もいらっしゃいました。
「匂い」や「体液」の除去の様な、特殊清掃ならではの「目に見えない作業」ほど、どの作業範囲までを、どれだけ丁寧に実施してくれるかは、特殊清掃業者の質(信頼できる業者かどうか)で決まります。
依頼する際は「料金の安さ」だけでなく「詳しく作業内容を説明してくれるか」「追加作業が発生する場合の料金・作業内容は明朗か」などを幅広く加味した上で、信頼のおける業者を選びましょう。
またあらかじめ業者のホームページや口コミを確認し、これまでの実績や事例・ユーザーの評価などをチェックしておくことも、悪徳な業者に引っかからない手段として有効です。
「遺品整理業者」に特殊清掃を依頼する利点
特殊清掃をおこなう業者の中には、「清掃作業」に加えて「遺品整理」を依頼できるものもあります。
「遺品整理」とは、故人の残した品物や家財を整理し、必要な物と不要な物に分類する作業のことです。
「遺品整理と特殊清掃の両方を手掛ける業者」に依頼することで、2社に依頼する手間を省き、効率的に部屋の清掃・整理を進めることができます。
また現場に取っておきたい遺品があった場合も、遺品整理業者が可能な範囲でキレイにしてくれるため、安心して持ち帰れることが可能です。
「遺品整理」をきちんとおこなうべきメリットについては、以下の内容をご覧ください。
【孤独死の清掃】特殊清掃の料金相場・手続きの流れ/特殊清掃業者の選び方 まとめ
孤独死現場の原状復帰に欠かせない「特殊清掃」に関して、料金や依頼の流れ・業者の選び方について解説しました。
万一、孤独死に遭遇してしまった場合は、速やかに遺体現場の対処に精通した、特集清掃業者へ問い合わせしましょう。また業者選択に失敗しないためにも、あらかじめサイトや口コミを確認し、信頼できそうなサービスの中から複数社で見積もりを取るのがおすすめです。
「アーチグリーン」では関西を中心に、遺体現場の特殊清掃・遺品整理をあわせてお引き受けします。安心・納得できる説明と質の高いサービスを提供します。どうぞお気軽にご連絡ください。