身内が亡くなって遺品整理を業者に依頼してみたいけれど、
「遺品整理悪徳業者がらみのトラブルがあると聞いた」
「遺品整理時にどういうトラブルがあるのか実例を知りたい」
「悪徳業者の見分け方を知って良い業者に依頼したい」
とお考えの方は多いと思います。
遺品整理業者の数は高齢社会もあいまって年々増加しており、ひとえに遺品整理業者と言っても玉石混交です。
今回は、悪徳遺品整理業者の見分け方と実際のトラブル事例、さらに悪徳遺品整理業者に騙された場合の対応(相談場所)をまとめてお伝えします。
悪徳遺品整理業者の見分け方とポイント
悪徳業者を見分けるチェックリストとポイントを挙げてみます。今、検討されている業者が良い業者かどうか、ぜひチェックをしてみてください。
- ホームページに遺品整理の詳細がきっちり書かれているか?
- ホームページに代表の顔写真が掲載されているか?
- 遺族への気遣いや思いやりが言葉の端々にあるか?
- 迅速な対応をしてくれるか?
- 見積もり来訪時に、スタッフの身だしなみはきちんとしているか
- 見積もり来訪時のスタッフの人柄にひっかかりがないか?
- 会社の制服がある業者か?
- 見積書の内容や料金が明確か?(追加料金について書かれているか?)
- 遺品で残すものと残さないものが文書で明文化されているか?
- 書面でのやりとりで証拠を残してくれる業者か?
- 見積書や名刺に許可番号や所在地などを明記しているか?
- 会社名義の銀行口座を保有しているか?
- ご近所にも配慮してくれる遺品整理業者かどうか?
上記のチェックリストを意識して遺品整理業者を選ぶことで、悪徳遺品整理業者を見分けることができ、その結果、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
次に遺品整理業者選びのポイントを詳しく見ていきましょう。
書面を残してくれる遺品整理業者を選ぶ
遺品整理に限ったことではありませんが、何事も言った言わないになる、後だしジャンケンのように言われる、といったことがないように、あらかじめ細かい部分まで全て書面に記載してくれる業者がベストです。
例えば、残すものと残さないものについて、事前に確認書のような形で文書を渡してくれるかどうかは、業者選びの大事なポイントです。
遠方などで鍵を預かって作業を行う場合、鍵の預かり証を発行してくれる会社もあります。
そういう細かい部分にまで行き届いた、丁寧な対応をしている会社は信用できます。誠実で信頼できる業者を選びましょう。
トラブルになりそうなことをあらかじめしっかり説明してくれる
遺品整理は決して単純な作業ではありません。短期間でスピーディーな作業を求められるからこそ、後々トラブルになりそうなところを回避できるように、業者がプロの立場からしっかりと真摯にお客様と向き合うことが求められます。
養生作業や貴重品の取り扱い、買取・リサイクルなど丁寧にお客様に説明してくれて、お客様が気付かない部分にも言及してくれるような業者がベストです。
また、近隣の住人への配慮として、できるだけ静かな搬出、作業後の清掃など、そういう細やかな気遣いや配慮を欠かさない業者が理想的だと言えます。
見積り時点でしっかり時間をかけて調べ、見積書の内容が明確な業者
まっとうな遺品整理業者であれば、現地を訪問してきちんと遺品を全部確かめて、荷物の量を確認したうえで見積りを出してくれます。見積書の内容が詳細で明確です。
一方、悪徳業者は下見の見積もりが短時間で雑です。10分程度で終わるようでは、おそらくちゃんと確認できていないと思って間違いありません。
「ここには何があるのか?」
と、一つ一つきっちりと見てくれる業者が良い業者です。
見積りは、細かく項目ごとに書かれているかがポイントとなります。パッと見て見積り金額が安く感じても、あてになりません。後で追加請求されて高くなるかもしれないからです。
高齢者の方がお一人で見積りに立ち会うのは難しいので、ご家族複数人で立ち会うことをおすすめします。
「全部処分して〇〇円なので、見積りは〇〇円です」
と説明をしながら書面に詳細を全部書き込み、不明点も親身になって明確に話をしてくれる業者を選びましょう。
悪徳遺品整理業者とのトラブル実例
多くの遺品整理業者はルールや法を守って仕事をしていますが、まれに悪徳業者が存在し、料金や法律・対応を巡ってトラブルに発展するケースもあります。
遺品整理に関する悪徳業者との間でよくあるトラブルは以下の5つです。
- 高額請求・追加費用の請求をされる
- 不法投棄をされる
- 貴重品や大切な思い出の品が処分されてしまう
- 近所からクレームが入る
- 不適切な遺品買取をされる
高額請求・追加費用の請求をされる
- 実際の請求金額が、ホームページに載っている金額よりも数倍以上も高かったという「高額請求」のトラブル
- 不用品が思ったより多く出てきたというような理由で、相当な追加料金を請求される「追加費用」のトラブル
上記のトラブルは、遺品整理業者が正確に現場を見積りできていなかったことが原因です。
しかし、悪徳業者は、遺品整理を急いでいる依頼者の弱みに付け込んで、わざと高額請求・追加費用請求をしてくることがあります。
不法投棄をされる
不法投棄トラブルは、遺品整理業者が遺品整理後の不用品を、廃棄物処分場に持ち込むことなく、山などに廃棄をすることです。
廃棄物処理業の無許可営業をしている悪徳遺品整理業者は、捨てるところに困った場合に山や海、湖などに放棄することがあります。
もちろん、不法投棄は犯罪行為で、通常の不法投棄をした場合、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第25条第1項第14号」に違反することになり【5年以下の懲役/1千万円以下の罰金または併科】が設けられています。
不法投棄の場合は、警察がゴミの持ち主を探して連絡することがあり、最悪の場合は利用した利用者(あなた)が逮捕されたり罰金に科せられる可能性もあります。
貴重品や大切な思い出の品が処分されてしまう
大事な故人の遺品の中でも、通帳や権利書、または大切な思い出の品(写真や手紙)などを、遺品整理業者が確認もせずに、そのまま廃棄処分してしまい、トラブルに発展することがあります。
経験のある遺品整理業者は、貴重品などを見つけた場合はすぐに依頼者に報告します。
しかし、一時的なアルバイトスタッフなどは、意図的ではなくても廃棄処分してしまうことがあります。
近所からクレームが入る
遺品業者の作業が雑な場合、近所からクレームが入るトラブルになる可能性があります。
例えば、以下のような近所迷惑です。
- 運搬車が道路をさえぎり邪魔になっている
- ゴミや不用品が道路に散らばっている
- 遺品整理業務後に近辺の掃除が不十分
- 早朝または深夜に作業を行う
このように作業が雑で、ご近所に配慮できていない業者もいます。
不適切な遺品買取をされる
多くの遺品整理業者では、不用品の買取サービスを行っています。
遺品の中で、少しでも高く買い取ってくれるものがあれば嬉しいですが、すべての遺品整理業者が品物の目利きをできるとは限りません。
そこで、買い取った品物は遺品整理業者がオークションに出したり、別の専門業者に買い取ってもらったり、海外へ売ったりします。
買取できる商品の例としては下記のものがあります。
- 小型家電
- 衣類(ブランド物)
- 宝飾品
- 雑貨
- 食器
- ミシン
- 楽器
- レトロな家電
- レトロなおもちゃ
- その他、今世の中で需要のあるもの
その買取価格が適切であれば良いのですが、目利きができないために、リスクを考えて買取価格を低く提示する遺品整理業者も存在します。
あとで、あなたが「あの遺品はとても高額で取引されている!」と知ってしまっても後の祭りです。
このように、遺品や不用品の買取りが適切に行われないことによるトラブルもあります。
以上が遺品整理にまつわる主なトラブル実例と悪徳業者の特徴です。
【見積相場】悪徳業者とトラブルになる前に確認!
遺品整理の見積もり相場は、作業を行う部屋の間取りや部屋の広さ、遺品の量、遺品買取の有無、マンションから搬出先までの距離によって料金に幅があります。
一般的には、遺品整理の料金相場は、ワンルームで4万円程度・2階建住宅の場合大体20万円程度と言われています。
代表的な住宅タイプごとの相場は以下の通りです。
間取り | 料金の相場(税込) | 作業時間(人員) |
1K | 40,500円~ | 2~3時間(2名) |
1LDK | 91,000円~ | 2~3時間(3名) |
2LDK | 148,500円~ | 3~5時間(4名) |
3LDK | 204,600円~ | 4~6時間(5名) |
一軒家 | 242,000円~ | 5~7時間(5名) |
これらの料金はあくまで相場なので、部屋の広さや物の量で安くなる場合も高くなる場合もありますが、上記相場料金から大きくかけ離れた見積もりの場合は、業者に確認した方が良いでしょう。
詳しくは【遺品整理の料金相場】費用の目安は?料金を安く抑えるコツや業者の選び方をご覧下さい。
【解決方法】悪徳遺品整理業者とのトラブル
遺品整理業者との話し合いでトラブルが解決しない場合は、以下の2つの方法で解決をするしかないでしょう。
- 行政機関への相談
- 弁護士や行政書士に依頼
行政機関への相談
遺品整理トラブルで困った場合は、下記の相談窓口をご利用ください。
独立行政法人 国民生活センター
国民生活センターは、国民生活の安定及び向上のために、国民生活に関する情報の提供・調査研究・重要消費者紛争について法による解決手続きを実施している独立行政法人です。
ホームページには実際に遺品整理に関するトラブル事例の報告も載っています。
こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-(独立行政法人 国民生活センターより)
消費者庁
消費者への財産被害の発生や拡大を防ぐため、必要な措置をとってくれる国の機関です。
消費者相談
経済産業省の窓口です。消費者からのご相談を消費者相談室で受け付けています。相談員が原則電話にて相談に乗ってくれます。
暮らしの相談窓口のご案内
内閣府の相談窓口です。日々の暮らしにおける様々な悩み事について、どこに相談して良いのか分からない相談先がまとめられています。
遺品整理業者のホームページにウソがあったなどは、上記窓口の「インターネット上での違法・有害情報」で相談可能です。
弁護士や行政書士に依頼
依頼や相談にお金がかかりますが、弁護士や行政書士に依頼することも可能です。
相続や遺品整理に詳しい弁護士や行政書士もおりますし、法律的な対応も代行してくれます。
先述した行政機関に相談して、「そのトラブルは弁護士か行政書士に相談してみてください」ということになれば、弁護士や行政書士に相談してみましょう。
まとめ
以上、悪徳遺品整理業者の見分け方と実際のトラブル事例、さらに悪徳遺品整理業者に騙された場合の対応(相談場所)についてお伝えしました。
人生において遺品整理というのは度々発生することではありません。遺族の皆さんで、気持ち良く遺品整理を行うために、この記事の悪徳遺品整理業者の見分け方をよくご確認してみてください。
当社アーチグリーンでは遺品整理士が在籍し、出張見積りも行っていますのでお気軽にご相談ください。
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