【孤独死の部屋】清掃方法や処理の手順/遺品整理の方法や料金

独り身の父が部屋で孤独死したと連絡があったが、どう対処すべきかわからない

「親族が孤独死し『特殊清掃』などが必要だが、どの業者に頼るべきか・どのくらい料金が発生するかの目処が立たず不安だ」

はじめての「孤独死」に直面した際、このように対処方法や料金の相場がわからず、途方に暮れる方は少なくないでしょう。

孤独死部屋

結論としては

  1. 孤独死を発見したら、速やかに警察へ連絡
  2. 警察の検死と並行し、特殊清掃業者を依頼
  3. 遺品整理業者に遺品整理を依頼

という3ステップで、可能な限り迅速に作業を進める必要があります。また最近では特殊清掃業者に遺品整理まで合わせて依頼できるケースも増えています。

 

この記事では「孤独死部屋を発見してからの対処方法を、今すぐ知りたい」という方のために

  • 孤独死の現場に必要な対処方法(特殊清掃と遺品整理について)
  • 特殊清掃と遺品整理の内容
  • 孤独死発見後の手順
  • 特殊清掃・遺品整理の料金と事例

について詳細を解説いたします。

目次

孤独死の部屋を発見したら「特殊清掃」「遺品整理」が必要

孤独死の部屋を発見したら「特殊清掃」「遺品整理」が必要

孤独死の現場を、事故死前の状態に回復(原状回復)させるためには

  • 特殊清掃
  • 遺品整理

といった2つの作業を速やかに行う必要があります。

とくに遺体現場は放置すればするほど腐敗が進行し被害が深刻となるため、悪臭や汚染・菌繁殖を解決する「特殊清掃」は、遺体を発見したその日のうちにでも業者へ依頼する必要があります。

 

孤独死現場に必須な「特殊清掃」とは

特殊清掃とは、孤独死をはじめとする事故死・自殺・殺人などが起きてしまった物件にて、クリーニングや消臭・除菌などをおこない原状回復をはかる作業を指します。

通常、遺体の損傷で汚れた部屋を個人の清掃で対処することは不可能なため、死体現場の清掃に精通した「特殊清掃の専門業者」に、原状回復を依頼することとなります。

 

特殊清掃業者が孤独死の現場でおこなう作業例として、以下のような内容があげられます。

  • 害虫(うじ虫、コバエ、ゴキブリなど)の駆除
  • 消臭・除菌
  • 壁紙やフローリングの張り替え
  • 体液や髪の毛など汚染物の撤去
  • オゾン消臭

死体特有のひどい腐敗臭や、体液や血液が染みついたフローリングや壁紙の撤去など、個人では対処しきれない事故死現場を、プロの知見に基づき解決へと導きます。

 

亡くなった家族の部屋に必須な「遺品整理」とは

原状回復のため、特殊清掃後に(もしくは同時並行で)すべき作業として「遺品整理」が挙げられます。

遺品整理とは、亡くなった遺族が部屋に残した遺品を整理・回収する作業のことです。

遺品整理をおこなうことで、遺品の中から大切に残したい故人の資産や思い出の品を選別し、適切に管理・回収することができます。

また賃貸であれば明け渡し前の原状回復作業として「遺品整理」をおこない、部屋に残された大量の不用品を回収・処分する必要があります。

亡くなった家族の部屋に必須な「遺品整理」とは

遺品整理は通常、遺族や関係者の手でおこなうことも可能ですが「孤独死現場」のように肉片や血液の飛び散った部屋で、一般の方が遺品を片付けることは困難です。

そのため孤独死のような事故死現場を処理する場合、特殊清掃と遺品整理の両方を手掛ける業者に依頼するケース(あるいは、遺品整理業者が特殊清掃まで代行するケース)が一般的となります。

 

孤独死現場の処理は「特殊清掃の業者」へ依頼するのが大前提

孤独死現場の処理は「特殊清掃の業者」へ依頼するのが大前提

「なるべく費用をかけずに対処したいから」と、ご自身で孤独死現場の清掃を検討している方にお伝えしたいのが、「遺体現場の清掃を個人でおこなうことは危険なので、必ずプロの清掃業者に依頼してほしい」ということです。

死体の腐敗によって発生した

  • 耐え難い死臭・腐敗臭
  • 体液や血液の染みついた壁紙や床・コンクリート
  • 繁殖した菌や害虫

といった深刻な被害は、一般の清掃で解決することはまず不可能といえます。

また孤独死による悪臭や汚れ・菌の繁殖は、当人だけの問題でなく、賃貸を所有する管理会社や大家さん、あるいは近隣住民の方にも多大なる迷惑をかけることとなります。

被害を最小限にとどめるためにも、孤独死現場の対処は、いち早く特殊清掃の専門業者に依頼しなければなりません。

 

孤独死を発見した後の処理手順(警察~特殊清掃・遺品整理~引き渡し)

孤独死を発見した後の処理手順(警察~特殊清掃・遺品整理~引き渡し)

孤独死の現場を発見したら、焦る気持ちを抑え、まずは警察へと速やかに連絡しましょう。警察が遺体現場の検証をしている間に、特殊清掃や遺品整理の業者への問い合わせをおこないます。

【遺体発見後の流れ】

1.警察へ連絡
2.特殊清掃(遺品整理)業者へ問い合わせ
3.見積もり
4.消毒剤の噴霧
5.遺品整理
6.特殊清掃・殺菌
7.汚染箇所の解体・処置
8.オゾン消臭・脱臭
9.引き渡し

それぞれの内容について、順に見ていきましょう。

 

1.警察へ連絡

遺体を発見したら、まずは速やかに警察へと問い合わせします。連絡を受けた警察が現場へ駆けつけ「現場検証」をおこない、死因の解明を進めていきます。

仮に第一発見者が遺族でない場合、警察から遺族や親族へと連絡が入ります。

現場検証が終わり遺体の引き取り許可が出た後に、死亡届の提出や火葬といった手続きをおこないます。

 

2.特殊清掃(遺品整理)業者へ問い合わせ

警察の現場検証と並行して、特殊清掃業者の選定・問い合わせを進めていきます。

どれだけ早期に現場清掃に着手できるかで、部屋の被害レベルに大きな差異が生まれます。遺体発見後は、可能な限り速やかに特殊清掃業者へ作業を依頼しましょう。

このとき先述したとおり、特殊清掃とセットで遺品整理までおこなう業者を選定すると、スムーズに原状回復を進められるためおすすめです。

【アーチグリーン】
問い合わせ:0120‐24‐7799
受付時間:24時間・365日(年中無休)

 

3.見積もり

特殊清掃(遺品整理)業者へのお見積もり

特殊清掃業者に問い合わせし、実際に現場にて見積もりをお願いします。

複数社へ同時に見積もりを依頼することで、料金や作業内容を比較し、特殊清掃でありがちな「ぼったくり」の被害を防止することができます。

【信頼できる特殊清掃業者の特徴】

  • 作業内容を詳細に説明してくれる
  • 追加料金の可能性がある項目を、事前に提示してくれる
  • 明朗な見積書を発行してくれる

料金・作業内容ともに納得したら、契約を締結し料金を支払います。

 

4.消毒剤の噴霧

感染症を防止のため、特殊清掃・遺品整理作業の前に「二酸化塩素」を噴霧します。

二酸化塩素は強力な殺菌効果がある上、消臭にも有効です。

人が亡くなった室内の死臭は耐え難いものがあり、通常の空気清浄機や芳香剤による消臭では取り除くことができません。

 

5.遺品整理

遺品整理をおこないます。現場の状況に応じて特殊清掃と並行して進めることもあれば、特殊清掃後に遺品整理をおこなうパターンもあります。

孤独死現場では家具や家財まで腐敗臭が染み付いており、その中からご遺族へ渡す貴重品・遺品を探し出します。そのため印鑑や通帳・貴金属など、必ず回収して欲しい遺品があれば、あらかじめ作業前に業者へ伝えておきましょう。

保存できない不要な家具・家財は、適切に分別し回数・処分します。

このとき遺品の買取も手掛ける業者へ依頼すれば(遺体現場のため買取が難しい可能性が高いものの)、運が良ければ清掃・遺品整理の費用を減らすことができるかもしれません。

 

6.特殊清掃・殺菌

孤独死現場の特殊清掃をします。遺体の体液が付着した床や畳・階段などを、特殊な薬剤を用いて清掃・消臭をおこなっていきます。

大まかな作業内容

  • 消臭・殺菌
  • 血液や体液の除去
  • 残置物撤去

現場清掃の作業内容や費やす時間ですが、これは遺体の発見されたタイミングや部屋の状況・被害の深刻さによって全く異なります。

例えば遺体が浴室で発見された場合、風呂場の目に見える部分の清掃だけでなく、体液の流れこんだ配管の中まで高圧洗浄や消臭作業をしなければなりません。

体液が床を越えて染み込んでしまったケースであれば、フローリングを剥がして臭いの元へ対処し、床を張り直すといった大掛かりな作業が必要となります。

 

7.汚染箇所の解体

体液や血液による汚染が、床下や階下にまで及んでいる場合、汚染箇所の解体が必要となります。

特殊清掃とは別途、リフォーム工事が必要となるため「どこまでの作業内容」を「どのくらいの費用」でおこなうのか、あらかじめ業者によく確認し納得してから工事に着手ましょう。

また借家の場合、依頼者側の負担でリフォーム工事をおこなった後に、大家さんから「うちが指定する業者で、リフォームをやり直したい」と要望が入るケースが少なくありません。

着工前に、あらかじめ大家さんと「どのレベルまで原状回復するか」をすり合わせしておくのがおすすめです。

 

8.オゾン消臭・脱臭

特殊清掃と遺品整理が終わったら「オゾン脱臭機」を使って、仕上げに室内の消臭をおこないます。

「オゾン脱臭機」とは強力な酸化力をもつ「オゾン」の働きで、空気中のニオイ物質を酸化分解して無臭化・菌ウイルスを酸化し破壊する効果のある機材です。

オゾン脱臭器

オゾン脱臭器

一般的な空気清浄機では空気中に漂うウイルスや菌にのみ効果を発揮しますが、オゾン脱臭機であれば障害物に関係なく、部屋の中を均一に殺菌・脱臭する効果があります。

遺体の腐敗による臭いは通常の消臭剤や空気清浄機では脱臭できないため、作業後に「オゾン脱臭機」を設置し、運転した状態で1~2週間ほど放置します(臭い状況によって前後)。

 

9.引き渡し

最後に依頼者様へ立ち会ってもらい「汚れていないか」「残置物はないか」「臭いは取れているか」の最終確認をおこないます。

問題なければ部屋を引き渡して完了です。

 

特殊清掃・遺品整理を業者に依頼する場合の料金相場は?

特殊清掃・遺品整理を業者に依頼する場合の料金相場は?

特殊清掃・遺品整理を業者へ依頼する際の料金として、いくら位を想定すれば良いでしょうか。

まず「特殊清掃」ですが、「部屋の状態」や「どこまで状態を回復するか」によって発生する費用が大きく変動するため、一概に料金相場を提示することは難しいといえます。

 

例えば、同じ孤独死現場であっても「遺体がベッドの上で発見され、フローリングの損傷がほとんど無い」場合と「遺体が床の上で発見され、フローリングの奥まで体液が浸透している」場合では、対処方法や費用も全く異なります。

 

一方「遺品整理」単体であれば、おおよその料金相場は以下の通りです。

【大阪の遺品整理に必要な料金相場】

間取り 料金の相場(税込)
1K 40,500円~
1LDK 91,000円~
2LDK 148,500円~
3LDK 204,600円~
一軒家 242,000円~

部屋の広さや遺品の量・買取の有無などを踏まえ、現場によって10〜50万円程度の幅を想定しておくと良いでしょう。

 

次章にて、孤独死現場の特殊清掃・遺品整理の料金について、事例をもとに確認していきましょう。

 

孤独死部屋の特殊清掃・遺品整理をおこなった事例3つ

ゴミ屋敷片付け

実際に当社が手掛けた、孤独死現場の特殊清掃・遺品整理の事例をご紹介します。

 

1.孤独死されたお父様の一軒家で清掃・遺品整理をした事例

特殊清掃前

Aさん(40代男性)より、孤独死したお父様のご自宅(2階建て一軒家)にて、遺品整理と特殊清掃をご依頼いただいた事例です。

相続手続きをされていた司法書士様からの紹介で、当社へ問い合わせくださいました。

遺体の腐敗により家屋・家財に染みついた「死臭」に困られており「近所にも迷惑をかけているので早めに対処してほしい」とのご希望でした。

【作業内容】

1日目 2日目
09:00 消臭剤の噴射
11:00 生活用品の分別・袋詰め
15:00 袋詰めした不用品の搬出
17:00 消臭剤の噴射・取り置き品の整理
09:00 残りの不用品を搬出
11:00 フローリングの体液・血痕を除去
16:00 エアコンやカーテンの取り外し
17:00 掃除機・消臭剤を噴霧
※ オゾン脱臭器を置いて撤収(2週間設置)

作業は2日間にわけて実施し、最終的に物件を売却できる状態まで原状回復をおこないました。

 

物量 6トン分
間取り 4LDK
人員 1日目3人、2日目4人
作業時間 2日 計15時間
料金 580,000円(税別)
作業内容 ・除菌、消臭
・不用品の搬出、処分
・体液、血液の除去
・オゾン脱臭

 

2.孤独死されたお父様の分譲マンションにて遺品整理・家財の全撤去をした事例

孤独死されたお父様の分譲マンションの遺品整理

Bさん(50代男性)より、孤独死したお父様がお住まいだった分譲マンションの、遺品整理と家財の全撤去をご依頼いただいた事例です。

マンション売却のため急ぎの作業が必要でしたが、お仕事の都合上、立会いが難しいとのことで「立ち合い無し」で作業に臨むこととなりました。

今回は遺体の発見が比較的早かったため、死臭もそれほどなく、スムーズに作業を進めることができました。

【作業内容】

1日目 2日目
08:30 室内に消毒・消臭剤を噴霧
09:00 エントランス・エレベーターの養生
各部屋にて遺品の分別・片づけ
13:00 家財の搬出
16:00 3tトラックへ家財の詰め込みを完了
17:00 搬出経路の掃除・養生を撤去
09:00 エントランス・エレベータの養生
09:30 残った家財の搬出・詰め込み
13:00 室内の清掃
15:00 テレビ電話にて室内の完了確認
取り置き品(貴重品など)を伝える
15:30 搬出経路の掃除・養生を撤去

急務を要する作業だったため、あらかじめ形見になりそうな遺品(メガネや嗜好品・お父様の写真など)はすべて取り置きしておき、最後に依頼主様へ確認しました。

 

物量 6トン分
間取り 3LDK
人員 3人
作業時間 2日 計12時間
料金 365,000円(税別)
作業内容 ・不用品の搬出、処分
・遺品の分別・取置
・簡易清掃

 

3.孤独死されたお父様の一軒家で清掃・遺品整理をした事例

物件の管理会社様からのご依頼で、孤独死された方の遺品整理を行った事例

以前よりお付き合いのある管理会社さまより、孤独死された方のお部屋(2K)にて遺品整理をご依頼いただいた事例です。

後日にリフォームの予定が入っているため、その着工までに作業を終わらせてほしいとのご要望を受け、迅速に日程調整・遺品整理作業へと取り掛かりました。

【作業内容】

当日の流れ
09:00 遺品整理(貴重品の仕分けなど)
13:00 不用品の詰め込みと搬出・掃除

今回の現場は複雑に入り組んだ住宅地の一角にあったため、搬出作業などで近隣へご迷惑をかける可能性が懸念されました。

そのため事前にしっかりと挨拶回りをし、後々のトラブル回避を徹底しました。

 

物量 1.5トン分
間取り 2K
人員 2人
作業時間 4時間
料金 非公開
作業内容 ・不用品の搬出、処分
・遺品の取り置き
・簡易清掃

以上、弊社が過去に対応させていただいた「孤独死現場」での特殊清掃・遺品整理の事例をご紹介しました。

これから業者へ見積もりを依頼する方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

まとめ

遺品整理

今回は「孤独死の部屋」をテーマに、原状回復のために必要な「特殊清掃」「遺品整理」に関して解説いたしました。

ある日突然直面する「孤独死」ですが、被害を最小限にとどめるためには、できる限り迅速に腕のある業者へ依頼することが重要です。

将来、孤独死現場への対処が求められることを想定して、今のタイミングから優良な特殊清掃・遺品整理業者の目星をつけておくことをおすすめします。

 

また「依頼者さまの気持ちに寄り添った対応」を大切にする当社「アーチグリーン」では「孤独死現場の遺品整理・特殊清掃」を一括で引き受けております。

知識と経験豊富なプロに「安心して清掃・遺品整理を任せたい」という方は、ぜひ詳細ページをご一読ください。

→ 遺品整理の「顧客満足度 第1位」の理由とは?

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この記事を書いた人

【生前整理診断士】
遺品整理・生前整理でお悩みなら何でもご相談ください。
私たちがお手伝いできることがたくさんあります。
<認定番号:39SSA01773>
一般社団法人生前整理普及協会 
https://seizenseiri.net/

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