- 「実家の荷物が多く、高齢の親が住みにくそうなので片付けてあげたい」
- 「親が亡くなって実家が空き家になったので整理をしたい」
- 「親が介護施設に入って実家が空き家になったので整理をしたい」
- 「ひとり暮らしの親と同居することになったので実家を片付けたい」
など、様々な理由で実家の片付けが必要になる方が昨今増えてきています。
実家の片付けを、どこから手をつけて良いかわからない、親にどう相談すれば良いかわからないなどお悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回はご自身で実家の片付けを行う場合の手順、どこから片付け始めると効率的かなど、断捨離のコツも合わせてご紹介します。
どこから始める?効率的な実家の片付けの手順
ご自身で実家の片付けを行う場合の手順を、片付けのプロの立場から説明いたします。
(手順1)親に実家の片付けの了承をきちんと得る
親御さんが住んでいる実家の片付けを行う場合は、必ず親御さんご本人に了承を得て作業を行いましょう。
実家がいくら散らかっていて、生活に支障をきたしていたり、近隣に迷惑をかけていたりしても、勝手にモノを捨てたり移動させてしまうと、後々家族内でトラブルに発展する可能性があります。
よくあるトラブルですので、このコラムではしっかり説明させていただきます。
親・家族とのトラブルを避けるためには以下のことを知っておかれると良いでしょう。
- 思い入れがある、また使うかもしれないという気持ちを否定しない
- 孫や第三者の意見なら聞いてくれる可能性がある
- 可能であれば認知症の場合は念のため書面に残してもらう
・思い入れがある、また使うかもしれないという気持ちを否定しない
多くの方が、親御さんのために「生活しやすい部屋にしてあげよう」「不要なモノを減らしてあげよう」と考えて行動されるかもしれません。
しかし親御さんは「思い入れがある」「また使うかもしれないから捨てられない」とお考えのことが多いです。
そういった時に「また使うって言っても、全然使ってないでしょう?」などと親御さんを責めても逆効果です。
また、子どもに言われるまま捨ててしまってから、深く後悔して落ち込まれる親御さんもいらっしゃいます。
捨てることを強制するのではなく、「大切なモノを整理しよう」と説明するのが良いでしょう。
最初は「また使う時に使いやすいようにしておこう」「大切なモノは傷まないように分けておこう」などと促すと良いかもしれません。
・孫や第三者の意見なら聞いてくれる可能性がある
娘や息子の話には耳を貸さなくても、孫の言葉なら素直に聞いてくれる可能性があります。
また、実家の片付けをする際に、生前整理アドバイザーや整理収納アドバイザーの方に来てもらうのも一つの手です。
人によっては相性もありますが、しっかり自分の話を聞いてくれるスタッフの言葉は素直に聞いてくれることが多いです。
・可能であれば認知症の場合は念のため書面に残してもらう
親御さんに認知症がある場合「捨てていい」と言ったにもかかわらず、後から「アレが無い!誰が捨てたの?!」と取り乱す方もいらっしゃいます。
「書いた覚えが無い」と言われる可能性もありますが、親御さんが認知症の場合、何かを捨てる時は念のため処分同意の旨を書面に残してもらいましょう。
以上、親御さんの価値観を受け入れることを忘れないようにして、実家の片付けの了承をきちんと得ましょう。
(手順2)片付け後の部屋のイメージを最初に考えておく
親御さんに実家の片付けの了承を得たら、作業の前に「片付け後の部屋のイメージ」を考えておくことをおすすめします。
例えば、
「仏間に置いてある大きなタンスはこのまま残して、タンスの中に貴重品をまとめて入れておくようにしよう」
「2階の子ども部屋は、昔の子どもの机を処分して、家族が泊まりに来たときの寝室にしよう」
「物置と化している応接間の荷物を処分して、母親の趣味の部屋にしよう」
という風にイメージをしておきます。
片付け後の部屋のイメージを最初にしておくことで、特にタンスや机などの大きな家具の「要る要らないの判断」がしやすくなるからです。
よくある失敗として、大きなタンスや家具をむやみに捨ててしまって、後で「やはり捨てなければ良かった…荷物を収納する場所がない…」と後悔する方が実際には多いです。
ふたたび家具を買い直すのは大きな出費になりますので、最初に使う部屋のイメージや計画を立てておくことは意外と大切です。
(手順3)「捨てるもの」「捨てないもの」「保留」に分ける
実家の片付けを進めていると、どれを残してどれを捨てるかで悩むことが多々あります。そこでおすすめの方法は、荷物を「捨てるもの」「捨てないもの」「保留」に仕分ける方法です。
それぞれに段ボール箱を用意し、まずは荷物を仕分けていきます。迷っているものでも一時保留にすることで、数日経って改めて考えると結論が出ることがあります。
何も考えずに片付けをしていると、時間だけが経過し進まないこともしばしばあります。
こうした事態にならないために、「捨てるもの」「捨てないもの」「保留」に仕分けて進めていくことがおすすめです。
(手順4)廊下や床に置いているものから片づける
では、実家の片付けはどこから始めたら良いのでしょうか?
おすすめは「廊下や床に置いているもの」から分別して片付けることです。
廊下や床には段ボールに入れた荷物が昔からずっと置かれている場合が多いです。それらの荷物から分別し片付けていくことで、廊下や床にスペースができます。
そうすると、動線が確保され、部屋の奥にある荷物の移動もしやすくなります。
また、実際に廊下や床の荷物が綺麗に無くなると、随分すっきりした印象になって、片付けをするモチベーションも上がります。
まずは最初に実家の廊下や床に置いている荷物から片付けてみることをおすすめします。
(手順5)ゴミは実家でゴミ収集日に捨てる
「捨てるもの」として分けられた荷物は、実家のゴミ収集日に出してコツコツ捨てていきます。
実家の片付けでポイントとなるのは、とにかく「荷物を減らす」ということです。減らすことが最も大事で、モノを溜めてしまっては意味がありません。
モノを減らすとは、要するに捨てることです。その日のうちに捨てられるものを片づける(整理する)のが実家の片付けの基本です。
遠方に住んでいる場合、まずは親の家に行く日を決めて、その地域のゴミ収集日を、自治体のホームページから確認することから始めてみましょう。
「何曜日は燃えるゴミ」「何曜日はプラスチックゴミ」というように、地域で曜日が決まっています。そうすればゴミをすぐに捨てられます。
(手順6)各部屋の荷物を整理して片付けていく
廊下や部屋の床の荷物が片付いて動線が確保されたら、順次各部屋の荷物を「捨てるもの」「捨てないもの」「保留」に仕分けして、「捨てるもの」を処分していきます。
引き続き、実家のゴミ収集日に出せるゴミは少しずつでもコツコツと捨てていきましょう。
タンスや食器棚など大型の家具は、自治体の粗大ゴミ回収サービスを利用して処分することをおすすめします。
自治体によって異なりますが、公式ホームページの「粗大ごみ」の項目を見ると、家庭から出るものの処分方法についてほぼ記載されています。
ご自身で大型家具を片付ける場合は、1人では運べませんから、運搬を手伝ってくれる人手を確保しなければなりません。
また、ゴミや大型家具等を自ら焼却場に持って行く方法もあります。自治体によりゴミの分別方法やルールが決まっていますので、確認してから廃棄処分しましょう。
以上、効率的な実家の片付け手順について解説しました。
次に、実家の片付け・断捨離を楽しく行うコツを紹介します。
実家の片づけ・断捨離を楽しくするコツ
仕事や家事で毎日が忙しいあなたにとって、実家の片付けは時間も取られ、あまり楽しいことではないかもしれません。ここでは実家の片付けがあまり負担にならない考え方やコツを紹介します。
完璧に片付ける必要はない
荷物を全てきれいに片付けようと気負う必要はありません。完璧に片付けるのは、身内数人では難しいものです。
少しずつ徐々に片付けていき、少しでもゴミが処分できたら「これで一か所綺麗になった」と達成感を味わうように、コツコツと進めることが実家の片付けを楽しむコツです。
期限を決めてみる
期限を決めて片付けを始めるのも良いでしょう。
「お盆(正月)に親戚が集まるので、その日までに片付ける」
という風に期限を決めると、普段から片付けを意識することができます。
3か月以上使っていないものはいったん捨てる
衣服などは例外ですが、1シーズン(3か月間)使っていないものは、いったん断捨離するのも効率的です。
お金のかからないものであれば、「必要なときにまた買ったら良い」と割り切る方が、結果的にモノが少なくなります。
ゴミ収集日にコツコツ捨てる
先述したように、ご実家のゴミ収集日にコツコツとゴミを捨てることを意識しましょう。
あとで一気にゴミを捨てようと考えると、荷物を置く場所も取りますし、最終的にいつまでたっても捨てられないことが多々あります。
実家の片付けを自分でする最大のコツは「定期的にゴミ収集日に処分すること」と言っても過言ではないでしょう。
第三者に「捨てる・捨てない」の判断をしてもらう
ご自身で「捨てる・捨てない」の判断をしていくと、主観が入りすぎて往々にして多くのモノを「捨てない」と判断しがちになります。
できるならば身内から少し離れた立場の人、例えば娘の旦那さんや息子の奥さん等、血縁から離れた第三者にアドバイスをもらうと、迷うことが少なくなり、片付け作業も進みます。
また、片付け専門の業者に手伝ってもらって作業を行うのも効果的です。業者の多くの経験を基に片付けのアドバイス・解決策をもらう事が可能です。
買取をしてもらう
実家の片付けをしていると、意外にも価値があって買取に出すとお金になるものも出てきます。
- 最新の家電
- レトロな家電
- 貴金属・アクセサリー
- カメラ
- 着物
- ゴルフ用品
- 酒類
- 金
- 古書
- 美術品・骨董品
- ブランド品
- 昔の珍しいおもちゃ
- 昔のバイク
上記は、業者が高く買い取る可能性のある品物です。
価値判断は素人では難しいので、買取専門業者に相談してみると良いでしょう。
次の記事に買取について詳しく書いていますので、興味のある方はお読みください。
→ 【遺品整理】遺品の買取業者/高価買取できる遺品の料金相場は?
以上、実家の片づけ・断捨離を楽しくするコツをご紹介しました。
実家の片付けと同時に「生前整理」もおすすめ
生前整理とは、ご本人が亡くなられた後に、残されたご家族が相続問題や各種手続きで苦労をしないように、ご本人が健康なうちに財産や持ち物を整理をしておくことです。
- 相続問題になりそうな土地・財産について調べておく
- 印鑑、通帳などの場所を確認しておく
- 遺言書を作成しておく
- デジタル遺品(スマホ、パソコン)のパスワードをわかるようにしておく
上記を中心に、ご本人が亡くなった後に遺族が困らないように整理をしておきます。
親御さんが御存命の場合は、実家の片付けと同時に生前整理も行うことで、将来の心配も一つ減らすことができます。
詳細は生前整理とは?タイミング・方法・流れを詳しく解説しますをお読みください。
実家の片づけを業者に依頼することで時間と手間が省ける
実家の片付けを業者に頼むかどうか迷われている方も多いかと思います。実家を引き払う場合等は、早めに片付けたいと思うのではないでしょうか。
次のような場合は、片付け業者に依頼することも視野にいれてみましょう。
- 荷物の量が多い場合
- 実家までの距離がある場合
- 地域のゴミの分別がこまかい場合
- 健康面に不安がある場合(腰痛・アレルギーなど)
- 手伝ってくれる人がいない場合
- もしかしたら高価なもの・貴重なものがあるかもしれない場合
- 途中で片付け作業を挫折する可能性がある場合
専門業者に依頼する最大のメリットは、時間と手間が圧倒的に省けることです。また、豊富な経験を踏まえて、最適な片付けプランを提示し、ご家族に説明もしてくれます。
仕事をしながら片付けても、結局は何か月、何年もかけて苦労することになります。実家が遠方にある場合、交通費や時間を考えると、プロに頼むほうが案外安上がりかもしれません。
業者に依頼した場合の実家の片づけの料金相場
実家の片付けを業者に依頼した場合の料金相場は、「2階建ての戸建て住宅」の場合、15万〜30万円ほどです。料金は荷物の物量や運搬車の台数、買取の有無によって変わってきます。
下記表を目安にしておけば良いでしょう。
間取り | 料金の相場 (荷物すべてを早く処分したい場合) |
料金の相場 (遺品をていねいに見分けながら片付けたい場合) |
1R | 28,000円~ | 88,000円~ |
1LDK | 60,000円~ | 148,000円~ |
2DK | 56,000円~ | 178,000円~ |
2LDK | 90,000円~ | 218,000円~ |
3LDK~ | 130,000円~ | 288,000円~ |
長屋 | 35,000円~ | 88,000円~ |
2階建て | 150,000円~ | 218,000円~ |
3階建て | 145,000円~ | 258,000円~ |
大きな家 | 180,000円~ | 358,000円~ |
ほとんどの場合において、1日で片付け作業が完了します。
専門業者は、物量や現場の環境に応じてスタッフの数を揃え、一気に片付けます。もっとも時間がかかる仕分け作業も、プロの技術で効率良く行ってくれます。
片付け作業や廃棄作業、買取査定も、別々の業者を手配して段取りをする必要がないので、時間とお金の節約になります。
まとめ
今回は実家の片付けについて片付けの専門業者の立場から詳しく紹介しました。
ワンルームなど1人用の住まいならまだしも、戸建て住宅などのファミリータイプの物件を1人で片付けるのは大変な労力が必要です。
それに加え、不幸があっての遺品整理や、親とのやりとりが必要な場合、精神的にも大きなストレスがかかります。
必ず家族や親戚に協力してもらうようにし、それが難しい時は、業者の利用もご検討ください。
実家の片づけは大阪のアーチグリーンにご相談ください!