終活を始めておこうと考えても、いつから始めるのがよいのかわからないと悩んでいる方も多いでしょう。
最近では元気のあるうちから人生を振り返る目的で終活を始める方もいるため、年代ごとに異なる終活の違いについても押さえておきたいところです。今回は終活について、いつから始めるべきかという観点で解説します。
終活をサポートしてくれるサービスについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
終活はいつから始めるべき?
そもそも終活を始める時期について、明確に理解しきれていない方も多いでしょう。自身の終活を始めるタイミングがわからず、悩んでいる方も少なくありません。
終活はいつから何をすればいいと思いますか。
私は身寄りもなく独り身で特に資産もなくただただ毎日仕事して寝て休日は公園の屋根付きベンチで蚊取り線香を焚き小型扇風機をつけて持ってきた飲み物や食べ物をいただき過ごすだけの日々です。
ここでは、終活はいつから始めるべきなのか?という疑問を解消します。
始める時期が決まっているわけではない
終活を始めるべき時期に、明確な決まりはありません。仕事を退職する60代から70代に差し掛かったタイミングで始める方が多い傾向にありますが、もっと若いうちから始めても何の問題もありません。
終活を始めるきっかけになるタイミングをいくつか挙げているので、参考にしてください。
- 身近な方が亡くなった
- 定年退職した
- 親や親戚が介護を受け始めた
- 同年代の知人が終活を始めた
- 結婚や出産で家族が増えた
終活を始める時期について、いつ始めてもいいと感じている方も少なくありません。
終活っていつから始めたっていいと思うの。
元気なうちに会いたい人に会って、行きたいとこ行って、食べたいもの食べて。
死ぬ時は絶対多少なりと後悔するのよ。
あれしときゃよかったとかね。
だったら死ぬ時少しでも後悔を少なくするために、やりたいことやっていけばいい。— みどり@長女 (@midori_hapuhapu) April 9, 2022
終活はあくまで、自身が「将来に不安を感じたタイミング」で実施することを念頭に置いておきましょう。
終活を早めに進めるべきケース
子どもや親族が遠方に住んでいたり、疎遠だったりする場合は、あらかじめ終活を進めておきましょう。自分の身に何かあった際、気づかれないケースがあるためです。子どもや親族と頻繁に関わることがない場合は、生前整理や形見分けも早めに実施しておくことを推奨します。
また、自身の資産を残す相手がいない場合も、早めに終活を進めておきましょう。資産を早めに処分してしまい、お金を得ることでより充実した余生を過ごせます。
親の終活はいつから?何をする?
親の終活を子どもが行う場合も、始めるべき明確な時期が決まっているわけではありません。終活を意識しておいた方がいいのでは?と感じたタイミングで、親に対して終活を促してみましょう。
親の終活を代行する場合は、資産や遺品の整理、施設への入居手続きなどを行うのが一般的です。また、知人への連絡手段をまとめておくことも大切です。
終活を親族に頼む立場で見ると、自身が思っている以上に負担をかけるものであると認識することが大切です。
あかん。うっかり考え事したら寝付けなくなった…親が死んだら実家の片付けどうするんだろうとか思い始めたら悲しいとかよりも手間と手順で頭が一杯になってしまった。
翻って自分の部屋のジャンクとHDDも悩みだ…終活っていつから始めればいいんだろ。死ぬ時期決められれば準備出来ていいのにな…— よつぎよん (@yotsugiyon) August 30, 2022
あかん。うっかり考え事したら寝付けなくなった…親が死んだら実家の片付けどうするんだろうとか思い始めたら悲しいとかよりも手間と手順で頭が一杯になってしまった。 翻って自分の部屋のジャンクとHDDも悩みだ…終活っていつから始めればいいんだろ。死ぬ時期決められれば準備出来ていいのにな… 引用:https://twitter.com/yotsugiyon/status/1564689993934979072 |
親族に負担をかけないよう、自身で早めに終活しておく方がいいかもしれません。
終活に必要な準備
終活する際は、以下が準備できている状態が望ましいでしょう。
- エンディングノート
- 遺影
- 遺書
- 遺品整理
- お墓
- 葬儀の詳細
- 終末医療の対処法
ここでは、終活に必要な準備の詳細について解説します。
エンディングノート
エンディングノートとは、自身の歴史や財産の情報、遺族への言葉などを記入しておくノートのことです。遺族に何を残したいかを、エンディングノートに記入しておきましょう。自身が亡くなったあとのことをエンディングノートに詳しく書いておけば、遺族がスムーズに行動できるためおすすめです。
遺影
事前に遺影を撮影しておくことで、自身の臨む姿を最後に残しておくことが可能です。また、遺影を撮影しておけば、急な逝去でも対応できます。気持ちに余裕がある状態で、穏やかな表情の写真を残しておきましょう。
遺書
自身が亡くなったあとの資産や遺品などを、どのように分配すべきかを決めておきましょう。遺産相続や形見分けなどは、親族間のトラブルに発展する可能性のある観点です。事前に「故人の意思」として遺書を残しておくことで、親族間の無駄なトラブルを回避できるでしょう。
遺品整理
遺書と同様、自身の資産や形見になるようなものを、自分自身で整理しておくことも大切です。遺族に任せて思わぬトラブルに発展する可能性があるのであれば、早めに整理・分配しておきましょう。また、有価証券やクレジットカード、インターネットの名義変更なども事前に実施しておくことで遺族の負担が軽減できます。
お墓
もしお墓を持っていない家系であれば、終活を始めるタイミングで用意しておきましょう。親族と話し合い、全員が納得できるお墓を用意することが大切です。もしすでにお墓が用意されている場合は、供養の方法や納骨などの詳細を詰めておきましょう。
葬儀の詳細
生前に自身の葬儀について決めておくと、遺族が慌てることなく葬儀を実施できます。葬儀の形式や規模、訃報を届ける知人について決めておきましょう。また、生前に葬儀会社を決めておくことで、いざというときにサポートを受けられるため遺族の負担が少なくなります。
終末医療の対処法
自身が危篤になった際などの医療方針を、事前に決めておきましょう。家族に判断を委ねる必要がないため、不用意に家族を苦しませる心配がなくなります。また、延命措置や最期を迎える場所についても、具体的に決めておくのがおすすめです。エンディングノートなどに詳細を残しておくことで、直接伝えることが困難になっても安心できるでしょう。
年代別の終活開始について
終活を始めるべき時期の目安は、定年退職を迎える60代が一般的です。しかし近年では、60代よりも若いうちから終活を始める方も増加傾向にあります。自身と向き合い、将来の不安を解消するために30代頃から終活を始める方も少なくありません。ここでは、年代別の終活について詳しく解説します。
60代
定年退職を迎え、時間に余裕ができるタイミングです。本格的に終末を迎えるイメージをして、エンディングノートの作成や遺品整理などを進めます。また、万が一施設に入ることを想定するのであれば、あらかじめ希望する場所を決めておくのもおすすめです。
定年退職する年代であるとはいえ、60代はまだまだ体力も気力も十分にあります。ただし、自身はもちろん残される親族のことも考えなくてはならない年代であるのも事実です。体力・気力がまだある60代のうちに終活を進め、今後の不安を軽減した状態で70代・80代を満喫したいものです。
50代
定年退職を視野に入れ、退職までのプランを考える年代です。60代よりも体力・気力・判断力に余裕があるため、退職後の終活よりも具体的かつ正確な終活を進められます。また50代ともなると、両親が亡くなるケースも多くなります。
55才女性です。50才の時に両親を亡くしとても大変な思いをしましたので、エンディングノートを書きました。
保険や証券、口座を書き出し、日記等は少しづつ処分し、反対に残したい物は値段とどの様な物か書き出してあります。
一番困ったのはお寺の宗派がわからない事だったのでそれもしっかり書きました。
お子様がいなくても、残ったご兄弟や親戚が困らない程度にはしておいた方が良いですよね。
両親の終活に自身を置き換えて、具体的なイメージを固める方法も有効です。
40代
人生の折り返しとも言われるタイミングです。折り返しに差し掛かったタイミングで、自身のこれまでを振り返る意味で終活を始める方もいます。現存する資産や遺品などを、将来的にどうすべきか考案するだけでも老後につながるでしょう。両親の終活を一緒に進めながら、自身に置き換えやすいタイミングでもあります。
30代
結婚や出産など、新たなライフステージを迎えることが多い年代です。自分以外の誰かに向けた意識が強くなる年代であるため、早めに身の回りを整理し始める方も多いでしょう。数年後・数十年後を見据えた貯蓄の計画や、子どもに残すための資産について考えることが多い年代です。
元気のあるうちに終活を始めるメリット
なぜ元気のあるうちから終活を始める方が増えているのでしょうか。ここでは、終活を早くから進めておくメリットを紹介します。
気持ちに余裕ができる
終活は単なる「整理」ではなく、自分自身と向き合うきっかけになります。これまで歩んできた人生について元気のあるうちから考えることで、気持ちに余裕ができるでしょう。エンディングノートを早いうちから用意しておけば、より明確なライフプランを設計できるのもメリットです。
体力・気力のあるうちに終活ができる
10代や20代は、気持ちだけでなく体力や気力にも十分な余裕のある時期です。年を重ねて体力や気力が鈍ってきてから終活を始めるよりも、スムーズに進められるでしょう。生前整理など、すべて自分の意思で実施しやすいのもメリットです。また、自分自身だけでなく、身の回りの人間に関することで手一杯になる前に終活を進められます。
自身・親の終活スタートをサポートしてくれるサービス
終活について不安がある場合は、以下に挙げる3つのサービスを利用しましょう。
- 民生委員
- 包括支援センター
- 弁護士・司法書士
【1】民生委員
民生委員とは、地域住民の自立した生活を支援する団体です。無料で相談できるメリットがあります。ただし、地域によっては民生委員がないこともあるため、事前に調べておきましょう。
【2】包括支援センター
包括支援センターとは、地域住民の暮らしや介護について相談できる窓口です。生活保護の申請やゴミの整理、福祉施設への入居を無料でサポートしてくれます。
【3】弁護士・司法書士
弁護士や司法書士も、終活に関する無料相談やセミナーを実施している場合があります。ただし、本格的に相談するとなると費用がかかることは覚えておかなければなりません。
まとめ
今回は終活について、始めるべきタイミングや年齢別のポイントについて解説しました。
終活は、自身が始めたいと思ったタイミングで進めてしまって問題ありません。ただし、エンディングノートや遺品整理など、終活に何が必要かは把握しておきましょう。
また終活は、元気のあるうちから始めておくこともおすすめです。今回紹介した年代別の傾向も踏まえて、自身にとって最適なタイミングで終活を始めましょう。