40代・50代を迎えて子どもが巣立つと、老後について考え始めるという方も多いのではないでしょうか。
老後を迎えるにあたって、自宅内をどのように整理すべきかという点が気になってしまいます。
今回は、老後の生活をより快適にするうえで必要な「老前整理」について解説します。
生前整理との違いや手順、コツやメリットなどの観点で老前整理について詳しく触れているので、ぜひ参考にしてください。
老前整理とは
老前整理とは、老後を迎える前に自身の人間関係や所有物などを整理することです。
老後を迎える前の、体力がある段階で実施しておくもので、老後の生活をより快適に過ごす目的で実施されます。
「終活」「ミニマリスト」などの言葉が取り上げられるようになった昨今において、老前整理もまた注目度の高まっている概念です。
自身の周辺に物が多いと感じている方は、体力のあるうちに老前整理を進めてさまざまな視点での「ゆとり」を実現してみてはいかがでしょうか。
生前整理との違いは?
老前整理と似た言葉である「生前整理」とは、自分が亡くなった後に親族が困らないよう、財産分与や相続に関する整理を進めることです。
老後の快適な生活を実現するために実施される老前整理が自分自身に向けたものであるのに対し、生前整理はあくまで家族のために行います。
快適な生活を送るうえで不要なものを整理する老前整理とは異なり、自分が亡くなることを想定して行われるといった目的の違いもあります。
老前整理を進めるうえでは、生前整理との違いも頭に入れておきましょう。
老前整理の手順
実際に老前整理を進める際は、以下のポイントを押さえたうえで実施してください。
- 片付ける場所・部屋の範囲を決める
- ジャンルごとに不要なものを見極める
- 片付けの期限を決める
片付ける場所・部屋の範囲を決める
効率的に老前整理を進めるためには、まずどこを片付けるのかという優先順位を決めてください。
家全体を範囲にしてしまうと、優先順位含めてどのように進めるべきか悩んでしまうでしょう。
片付ける場所や範囲をあらかじめ決めておくことで、スムーズかつ効率的に老前整理を進められます。
老前整理のスタートは、家族全員が使用するリビングやキッチンから始めるのがおすすめです。
家族が共有する場所には雑多になりがちであるため、優先的に整理を進めることで家族全員の快適さも実現できるでしょう。
ジャンルごとに不要なものを見極める
老前整理を進める場所や優先順位を決めたあとは、必要なものと不要なものを場所単位で以下のようにジャンル分けしてください。
- 家具
- 衣類
- 装飾品
- 書籍
- 文書
- 食器類
- 写真
- 古道具
- 雑貨
ジャンル分けを事前に進めておかないと、必要・不要の基準が曖昧になってしまう可能性があります。
また、部屋ごとに整理する順番を決め、その中で何を優先して整理するか決めておくことも大切です。
例えば書斎から整理すると決めたのであれば、まずは本棚にある不要な書物を整理するといった考え方です。
場所単位で片付ける優先順位を決めたうえで、ジャンル分けして整理を進めてください。
片付けの期限を決める
せっかく老前整理の範囲とジャンル分けを進めても、いつまでに終わらせるというゴールがないとどんどん後回しになるかもしれません。
老前整理全体をいつまでに終わらせるべきか決めるだけでなく、場所単位の大まかな期限を決めておきましょう。
老前整理のコツ
ここでは、老前整理をより効果的に進めるうえで押さえておきたいコツをいくつか紹介します。
エンディングノートを作成しておく
エンディングノートとは、家族に向けて伝えたいことや自分自身について書き残しておくためのノートです。
形見分けや遺産相続など、どちらかというと「生前整理」に近い行動ではあります。
しかし、老前整理の一環でエンディングノートを残しておくことで、自身が亡くなった後に資産がどのように動いていくかイメージできます。
身の回りを整理しつつ、終末をイメージする年代に差し掛かっても安心して過ごせるよう、体力のあるうちにエンディングノートを残しておきましょう。
少しずつ進める
老前整理そのものが負担にならないよう、時間をかけてゆっくり進めていきましょう。
老前整理は家の中全体を対象とするのではなく、負担にならない程度で整理の範囲や期限などを明確にしておくことが大切です。
しかし、範囲や期限を厳しく設定してしまい、達成に追われて負担がかかるようでは意味がありません。
範囲に関しては自分だけで作業しても負担にならない程度で、期限は直近ではなく数ヶ月先に設定しておくことで気楽に取り組めます。
老後の快適さを実現するために、まず「今」の快適さを大切にしたうえで負担がないよう老前整理を進めましょう。
捨てるものと取っておくものの優先度を決める
老後に使えるものとそうでないものを、しっかり決めたうえで整理することで老前整理が完了します。
老前整理する場所ごとに、本当に必要なものと不要なものを決めておきましょう。
「今使っていないけど、いずれ使うかもしれない」程度のものであれば、よほど思い入れがない限り捨ててしまって問題ありません。
しかし、一気に整理しようとして必要なものまで捨ててしまわないよう注意してください。
仕事や趣味で使うものや、大切な人との思い出が詰まっているものに関しては、生前整理の段階で整理するものに分けておきましょう。
また、処分すべきかどうか迷った場合は、5W1Hを活用するのがおすすめです。
5W1Hの例を以下に挙げているので、老前整理を進めるうえでの参考にしてください。
WHAT(何を買ったのか?) | シャツを |
WHY(何のために買ったのか?) | 普段着用に買って |
WHEN(いつ買ったのか?) | 最後は1年前に使用して |
WHERE(どこへ行くために買ったのか?) | 友達と食事に行く時に使用して |
WHO(誰に買ったのか?) | 自分のもので |
HOW(いくらで買ったのか?) | 1万円くらいした |
5W1Hを活用することで、シャツを買った理由や使用状況、どのくらいの価値があるものか整理できます。
物と自分との関係を客観的に確認できるため、必要・不要の判断が自然にできるでしょう。
完璧を求めすぎないようにする
はじめから完璧な綺麗さを求めてしまうと、少しでも予定通りにいかないだけで老前整理そのものがストレスになってしまいます。
老前整理の範囲・期限などを決める際は、ある程度の余裕を残したうえで楽しみながら進める方がよいかもしれません。
老前整理をするメリット
ここでは、老前整理による以下3つのメリットについて解説します。
- 遺族の負担が軽減する
- 老後の安心・安全を確保できる
- ミニマリストになれる
遺族の負担が軽減する
老前整理を進めておくことは、生前整理をスムーズに行うための準備ともいえます。
老前整理と生前整理がスムーズに進めば、万が一亡くなってしまっても遺族にかかる負担が軽減されます。
死後、あまりにも物が多く残っていると遺族は「捨てていいものかわからない」と悩んでしまうでしょう。
残される家族が悩まないよう、あらかじめ老前整理を進めて必要なものと不要なものは分けておくべきです。
老後の安心・安全を確保できる
老前整理で不要なものを捨てておくと、自宅内で怪我をすることが少なくなります。
年齢を重ねていくと、普段気にならなかったものにつまづいたり、ぶつかったりして怪我をすることが増えてしまいます。
老前整理を進めておけば自宅のスペースが広がるため、物理的な危険を回避できるでしょう。
ミニマリストになれる
ミニマリストとは、必要なものだけに囲まれて生活する人のことです。
老前整理を進めておくことで、必要最低限のものだけで生活するようになるため、ミニマリストになりたい人はぜひ実施してください。
ミニマリストになれば自宅に不要なものも増えず、節約にもつながるでしょう。
老前整理はいつから始めるべき?
ミニマリストが注目される昨今、30代から老前整理を始める人も増えています。一般的に、老前整理はいつから始めるべきとされているのでしょうか。
40代・50代から始めるのがおすすめ
老前整理を始める人が多い年代は、40代・50代です。
自身や知人に相続の話がきたり、子どもが自立したりといったタイミングが多い年代であることが理由といえます。
また、40代・50代になると病気にかかるリスクも増えるため、早い段階で老前整理を進めておこうと感じる人も多いでしょう。
あくまで一般的な時期ではあるため、先ほど触れたミニマリストの観点から40代より早く始める場合もあります。
40代・50代から老前整理を始めるメリット
40代・50代はまだまだ体力がある世代です。
元気のあるうちに自分のものを自分で整理できれば、老後の安心にもつながるでしょう。
また、早い段階から金銭面の見直しができるのもメリットです。
セカンドライフをより快適に過ごすという観点で。40代・50代から老前整理を始める方が多い傾向にあります。
老前整理は60代から始めても遅くはない?
結論、60代から老前整理を始めることは、決して遅いというわけではありません。
しかし、60代になると40代・50代に比べて体力面で辛さを感じることが増えてしまいます。
また50代を過ぎてしまうと、体力だけでなく判断力が衰える可能性もあります。
そのため、体力・判断力に不安がないうちから老前整理を進める方がおすすめです。
早い段階で老前整理を進めることで、本当に必要なものと不要なものの選別を確実に実施できます。
快適なセカンドライフの期間をより長くする効果も期待できるため、できれば40代・50代のうちから老前整理を進めておく方がよいかもしれません。
まとめ
今回は老前整理について、基本的な情報や進め方、コツやメリットの観点で解説しました。
老前整理は生前整理と異なり、老後の生活をより快適にするため実施します。
体力や判断力のある40代・50代のうちに進めることで、不要なものを自分のペースで整理できるでしょう。
ただし、物が多かったり時間を確保できなかったりすると、自分だけで老前整理を進めるのは困難です。
その場合は家族に協力してもらうか、業者への依頼もご検討ください。
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