【遺品整理とは?】片付ける時期や方法/遺品整理の内容や料金相場
皆さんは、遺品整理がどのようなものかをご存知ですか?
「亡くなった方の生前の部屋を掃除・処分する」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?
確かにその認識も間違いではないのですが、実はそれだけが遺品整理ではないのです。
今回は、遺品整理についてのよくある疑問をもとに、遺品整理のプロである当社『アーチグリーン』が遺品整理のやり方や適切なタイミング、個人で遺品整理する場合と業者に頼んだ場合の違い、遺品の取り扱い・処分方法について解説していきます。
目次
そもそも遺品整理とは?「遺品」という言葉の意味から考える
初めに、遺品整理というものについて解説します。
一般的に遺品整理は、書いて字の通り「遺品を整理し、部屋を綺麗にすること」と考えられています。しかし、ただ片付けることだけが遺品整理ではありません。
そもそも「遺品」とは、故人が生前に使っていたものです。それぞれに故人の記憶や想いが込められています。中にはご家族との思い出の品もあるでしょう。
一見価値が無いように見えるものでも、家族だからこそ価値を見出せる物もあるかと思います。そうした「遺品」を実際に手に取ってみて「こんなこともあったな」と感じながら、精神的な部分で「故人との別れ」を再認識し、気持ちに区切りをつける。それこそが「遺品整理」の本質なのです。
「故人との別れ」そして、「自分自身の再スタートのきっかけ」として考え、遺品整理に向き合うことがなにより大切であると言えます。
遺品整理はいつやるべき?適切なタイミング・時期はケースによって変わる
では、遺品整理はいつ行うのが良いのでしょうか?
- 賃貸物件での遺品整理を検討している
- 物件の相続もしくは売却を検討している
- 特に急ぐことがない(期限は決まっていない)場合
ここからは、上記3つのケースに合わせた遺品整理の適切なタイミングについて紹介いたします。
【1】賃貸物件での遺品整理は「月内」もしくは「翌月末まで」が一般的
ご家族と故人が別々に住んでいる、もしくは孤独死した場合などに、このケースがよく見られます。
賃貸物件は管理人や不動産会社など、故人とは別の第三者が物件を所有していることがほとんど。そのため、管理者側の考えとしては「早く次の入居者に貸せる状態にしたい」というものがあります。
「亡くなった当月内」もしくは「亡くなった月の翌月末」までと期限を定められることも多く、早急に片付ける必要があります。
【2】物件の相続・売却をするなら可能な限り早い方が良い
故人が持ち家を所有していた場合によくあるのが「物件を相続したい」「物件を売却したい・賃貸で出せるようにしたい」というケースです。
持ち家だとしても、時間が経つにつれて建屋自体が劣化し、物件としての価値が下がってしまうことがほとんどです。室内にカビや蜘蛛の巣が発生すると、清掃業者に依頼したり場合によってはリフォームということにもなってしまいますので、可能な限り早いタイミングで遺品整理することをオススメします。
・弁護士や不動産業者への手続きに必要な期間も視野に入れる
物件の相続や売却は、弁護士や不動産業者への手続きが欠かせません。
短期間で終わるものではないので、手続きに必要な期間も視野に入れたうえで遺品整理のタイミングを検討しましょう。
【3】期限が特にない場合は「ある程度落ち着いたタイミング」で行うのが良い
亡くなった直後は葬儀などでかなり忙しくなり、遺品整理まで気が回らないことがほとんどです。「別れ」というものをなかなか受け入れられないということも考えられます。
四十九日後、親戚一同で集まる機会を設けて遺品整理をするという方法をとる方もいれば、亡くなってから数年後に遺品整理を始めたという方もいます。
「別れ」をなかなか受け入れることが出来ないという状態で遺品整理をしても「感情がこみ上げるあまり、遺品整理できない」ということがほとんどです。自分の中で「ある程度気持ちの整理ができた」「ひと段落して落ち着いた」と思えたタイミングで遺品整理を行うのが良いでしょう。
遺品整理は自分でやるべき?業者に頼んだ場合との違いを解説
皆さんは「遺品整理は自分でやるべきもの」と考えていませんか?
実際、当社『アーチグリーン』に相談に来られる方の多くは「最初は自分でやろうと思っていた」という方も少なくありません。
もちろん、自分で遺品整理をすることは悪い事ではありません。
しかし、いざ始めてみるとなかなか作業が進まず、遺品整理業者に相談する方がいることも事実です。
ここからは、遺品整理を自分で行う場合と、遺品整理業者に頼む場合の違い(メリット・デメリット)について解説していきます。
遺品整理を自分でやるメリットは「費用が掛からないこと」と「自分のペースで進められること」
遺品整理を自分でやる場合のメリットとして考えられるのが、以下の2つです。
- 費用が掛からないこと
- 自分のペースで進められること
まず、最も大きなメリットとして「費用が掛からないこと」が挙げられます。
また、一度に集まることが出来る親戚が多ければ多いほど作業人数も増えるため、遺品整理業者に頼む費用を削減しながら、スピーディに片付けることも可能でしょう。
1人でやるとなった場合、自分のペースで少しずつ進められるので「ひとつひとつじっくり片付けていきたい」という方にはオススメです。
遺品整理を自分でやるデメリットは「重い荷物を運びにくいこと」と「精神的な負担が大きいこと」
一方で、遺品整理を自分でやることのデメリットも存在します。
- 重い荷物を運びにくいこと
- 精神的な負担が大きいこと
代表的なもので言うと、上記の2つが挙げられます。
まず、「重い荷物を運びにくいこと」に関しては言わずもがなではありますが、1人で大きな家具を持ち運ぶのは難しいどころか不可能なものも多くあるでしょう。
例えば、大きいサイズのテーブルや冷蔵庫などの大型家電など、ある程度人手があれば業者に頼らずとも運ぶことができるかもしれませんが、1人だと持ち上げることもできません。
実際に「細かいものはある程度整理できたけど、大きな家具は重くて片付けられなかった」という理由で、遺品整理が途中で頓挫してしまった方が当社『アーチグリーン』へ相談に来られたりすることもあります。
上記のような理由から、遺品整理がなかなか進まず焦りが出てしまい「精神的に疲弊してしまう」ということも考えられます。
そのほか「1人で遺品整理を始めようと思っていた」という方の悩みとして多いのが、「誰もいない部屋の中1人で作業しているのが本当に辛かった」というものです。
1人で遺品整理していると、静けさも相まって感傷的になってしまうことも多いため、可能であれば複数人での遺品整理をオススメします。
遺品整理業者に頼むメリットは「素早く的確に遺品整理でき、関連業者を紹介してもらえる可能性があること」
遺品整理業者に頼むメリットとして、「素早く的確に遺品整理ができること」が挙げられます。賃貸物件の場合や、物件の相続・売却などを考える場合、期日や物件価値のことも視野に入れると素早く遺品整理を行う必要があります
当社『アーチグリーン』では、ご相談いただいてから実際に作業に入るまで2週間~1ヶ月ほど、上述した「賃貸物件では亡くなった当月内か翌月末までに遺品整理しないといけない」という部分をクリアすることが可能です。
一方、1人で遺品整理するとなると、物量にもよりますが1ヶ月~半年ほど掛かることがほとんど。期限がある中での遺品整理を考える場合は、遺品整理業者に依頼するのが無難と言えるでしょう。
・業者によっては、弁護士や不動産業者を紹介してもらえることもある
遺品整理業者の中には、弁護士や不動産業者などの関連業者と関わりがあり、「物件を賃貸に出したい」「相続手続きがまだ終わっていない」といったお客様の悩みに対して、関連業者の紹介を行ってくれる場合があります。
「業者を探すところから始めないといけない」というのであれば、一度遺品整理業者に相談してみてはいかがでしょうか?
・遺品整理士の資格を所有している会社であれば、遺品の取り扱いや処分方法の面でも安心
遺品整理業者の中には、遺品整理士認定資格を所有している会社があります。
これは、各自治体の条例で決められたゴミの分別方法を理解し、正しい知識をもって遺品・廃棄物を取り扱うことができると認定された業者に発行される資格です。
中には引き取った荷物を不法投棄し、高額の請求を行う業者もいるため、依頼する前に資格面を確認しておいた方が良いでしょう。
遺品整理業者に頼むデメリットは「悪徳業者に当たる可能性があること」
上述したように、遺品整理業者の中には、悪徳業者が潜んでいる可能性があります。
悪徳業者による「不法投棄」や「高額請求」は業界的にも問題視されており、昨今行政への働きかけによって、徐々に減りつつあります。
しかし、最終的な業者の見極めはお客様の判断にゆだねられるため、悪徳業者の特徴を理解しておくことをオススメします。
悪徳業者の持つ特徴としましては、
- 見積もり金額が安すぎる
- 書面(証拠として残る形)でのやり取りがない
などがあります。
中には、意図的に高額請求してくる業者もいるので、追加でどのくらいの料金がかかることがあるのかなどは、事前に確認しておきましょう。
どうしても個人で遺品整理するとなった場合に知っておきたい3つのポイント
遺品整理業者への依頼は、家財の取り扱いを第三者に任せることなので、人によっては「例え時間がかかっても自分で済ませたい!」と考える方も中には居るかと思います。
そんな方のために、本記事では「個人で遺品整理する際に知っておきたいポイント」として以下の3つを紹介していきます。
- 遺品整理をするうえでの事前準備(あった方が良いもの)
- 遺品の取り扱い方(廃棄物の分別・貴重品・デジタル遺品について)
- 片付けがもっと効率的になる思考方法
【1】遺品整理をする際にしておきたい事前準備(あった方が良いもの)
個人で遺品整理をするうえでの事前準備として、以下のものを揃えておくと良いでしょう。
- マスク(防塵マスクがあると尚良い)
- ゴーグル
- 軍手(作業用の滑り止めがついたもの)
- 安全靴
- 養生テープ(剥がしやすく手で切れるもの)
- 台車(静音性の高いもの)
- 工具(ドライバー・レンチなど。家具解体用)
- ビニール紐
- ゴミ袋
- 段ボール
これらについて詳しく解説していきます。
・「ほこり」や「ケガ」から身を守るために「マスク」「ゴーグル」「軍手」を最低限用意する
まず、最低限の準備として、「マスク」「ゴーグル」「軍手」は用意しておいた方が良いでしょう。何故なら、遺品整理の際、プロとしても気を付けたいのが「現場の空気(ほこりなど)」だからです。
実際、現場によってはほこりが原因で体調を崩すスタッフも居ます。
防塵マスクがあれば良いのですが、ない場合はマスクを2重につけて対策することもあります。ほこりが肌に触れることで発疹が出たり、家具を運ぶ際に擦り傷や切り傷ができることもありますので、作業の際には「長袖の動きやすい服装」を着用して、自分の身を守ることを心がけましょう。
・荷造り・分別のために「養生テープ」「ビニール紐」「段ボール」「ゴミ袋」があると便利
次に用意したいのが、荷造りに欠かせない「養生テープ」「ビニール紐」「段ボール」「ゴミ袋」です。
分別方法については後述しますが、遺品整理は場合によって、本や書類、貴重品など様々なものが出てきます。
目に見えるものだけでもいいので、ある程度遺品の種類を把握しておき、それに応じたものを用意しておきましょう。
・組み立て式家具の解体用に「工具」、まとめた荷物を運ぶために「台車」があると作業が進めやすい
最近の家具は組み立て式の物も少なくないので、解体できるものがある場合はドライバーやレンチなどの工具が数種類あると便利です。
また、台車があれば、まとめた荷物(段ボールやゴミ袋)を一括で運ぶことができ、往復の手間を減らすことが出来るので併せて用意しておきたいところです。
ただし、台車はアスファルトの上や凹凸のある路面でガタガタと大きな音が鳴ります。
そのため、樹脂製(もしくはゴム製)のタイヤなど、静音性の高い物を用意しておくと良いでしょう。
【2】遺品の取り扱い方(廃棄物の分別・貴重品・デジタル遺品・仏具などについて)
「遺品」と一口に言っても、その内容は様々ですので、気を付けるべき点は数多くあります。ここからは、各遺品の取り扱い方について紹介します。
・廃棄物は地域(自治体)毎の分別方法に遵守する
片付けた遺品をゴミとして出すとしても、
- 燃えるゴミ
- 燃えないゴミ
- リサイクル
- 粗大ごみ
など、地域によって細かく分けられています。
捨てる前には、必ず自治体ごとの分別方法に遵守しましょう。
・貴重品と価値が分からないものは必ず手元に置いておく|査定をすると高額買取になることもある
次に取り扱いに気を付けたいのが、「貴重品」と「自分の目で見て価値が分からないもの」です。
通帳や登記簿、契約書類は当然「貴重品」として判断できるものなので、ファイルに挟むなどして置いておきましょう。
一方で「自分の目で見て価値が分からないもの」に関しては、一度手元に残しておき、専門家による査定を通した方が良いということもあります。
- フィギュア・ポスターなど
- 郷土品
- 骨董品
- 美術品
- 着物
- 古い切手
- 楽器・CD
などが、それにあたるでしょう。パッと見て「これは捨ててもいいのでは」と思ったものの中に、想像もつかない掘り出し物があるかもしれません。
・PC・スマホなどの「デジタル遺品」は、中のデータの取り扱いに気を付ける
昨今、取り扱いに気を付けるべき遺品として挙がることの多い「デジタル遺品」。
PC・スマホなどは、内部に写真や文書・クレジットカード番号など、個人情報が特定できるデータが入っている可能性が高いです。
いずれも悪用される可能性の高いものなので、捨てる・売却する前に、必ずデータの確認をしておきましょう。
・仏壇仏具やお寺(神社)の返礼品は、もとのお寺などで供養する
遺品の中で、取り扱いが難しいのが「仏壇仏具」と「お寺(神社)の返礼品」です。
これらはやはり神聖なものですので、自治体によってはゴミとして出せないこともあります。
そのため、お寺や神社などでお焚き上げして供養するのが処分方法としては最も適しています。遺品整理業者に頼む場合でも、業者によってきちんと供養してくれるかどうかが異なりますので、心配な方は依頼時に一度相談しましょう。
【3】遺品整理の効率が上がる「思考方法」
遺品整理の際に手が詰まってしまう原因としてよくあるのが、「どれを残してどれを捨てるのか」という取捨選択の部分です。
遺品の取り扱いの部分でもお伝えしたように、自分ではなかなか価値が分からないものが出てくることもあり、仕分け作業はかなり時間がかかってしまいます。
・「捨てるもの」「残しておくもの」「一時保留」の段ボールを用意して仕分ける
今回紹介するのは、遺品整理を始める前に「捨てるもの」「残しておくもの」「一時保留」という3カテゴリに分けた段ボールを用意し、それに従って遺品を分けていく、という方法です。
「捨てるかどうか迷っている物」に関しては、全て一時保留の段ボールに入れ、数日後に、一時保留の段ボールから更に「残しておくもの」「捨てるもの」に仕分けしていきます。
何故この方法がオススメかというと、数日間置いておくことによって考えが整理され、「改めて見るとこれは捨ててもいいかも」と思えるようになることもあるからです。
実際に遺品整理の現場では、お客様立ち合いのもとで遺品整理を行うことがあるのですが、この方法で遺品整理がスムーズに進むケースが多いです。
ですので、もし「どれを捨ててどれを残そうか」と悩んでいる方は、上記の方法をぜひ一度試してみてください。
1人で遺品整理をする場合は、事故・ケガに注意する
1人で遺品整理をする場合に最も気を付けなければいけないことは、「事故やケガ」です。
「作業中の転倒」や「大型の家具が倒れてきた」など、大規模な掃除・片付けには事故の危険性が常に伴います。
動けないほどのケガを負ってしまった場合に備えて、複数人での作業を心がけましょう。
まとめ:遺品整理を簡単に考えすぎるのは良くない|物が多い場合は生前整理もオススメ
今回、遺品整理について、個人での遺品整理のやり方や遺品の取り扱い、個人で遺品整理する場合と遺品整理業者に頼む場合の違いについて紹介しました。
遺品の取り扱い方や個人で遺品整理する事のメリット・デメリットからも分かるように、個人で遺品整理を行うのはかなり過酷な作業となります。
事故やケガのリスクが心配な方は、遺品整理業者へ依頼することがオススメです。
また、生前からお部屋を整理をすることも一つの方法です。
どこに何があるのかや、置いてあるものの価値を知っているのはやはり本人なので、ご家族でコミュニケーションを取りながら生前整理をしてみるのも良いでしょう。
【遺品整理】大阪の遺品整理はアーチグリーン|安くて安心/買取・不用品回収なら、お客様が納得・安心できる説明とご提案をいたします。どうぞお気軽にご連絡ください。
この記事を書いた人
東 藍
【生前整理診断士】
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